１８日に済州（チェジュ）南方の海上で沈没の危機にある外国貨物船を救助するため出動した海洋警察の高速ボートが救助を終えた後に転覆して船員５人が死亡した。出動した海洋警察隊員１人も負傷し病院で治療を受けている。

海洋警察によると、同日午後０時２７分ごろ、済州市の遮帰島（チャグィド）の南西２７．７キロメートル海上で浸水事故が起きたマレーシア船籍の貨物船の救助に出た済州海洋警察所属の高速ボート２隻が転覆した。この事故で中国人船員２人とフィリピン人船員３人が死亡した。海洋警察隊員１人も一時意識を失ったがその後済州市内の病院で治療を受けている。

事故当時ボート２隻には貨物船の船員１５人と海洋警察隊員１０人の２５人が乗っていた。ボートに乗った乗組員は事故当時全員救命胴衣を着ていた。転覆したボートは横１０メートル、縦３．３メートル、高さ１．２メートルの大きさだ。

貨物船はこの日午前７時１５分ごろ、遮帰島の西６１キロメートル海上で船体に穴が開き浸水事故が起きたとして済州海洋警察に排水支援などを要請してきた。この貨物船はスチールコイルと機械設備などを載せシンガポールへ向かっていた。当時高波で船体が揺れ動き固定された貨物が離脱し、この貨物が貨物船の外壁を強打して左舷部分に５０センチメートルの穴が開いた。事故当時済州遠海には風浪注意報が発効されており、この海域には高さ４メートル前後の高波が起きていた。

午前１０時２０分ごろに現場海域に到着した海洋警察は装備を動員し、排水活動を展開したが、海水の流入が続いたためボート２隻に船員を乗せ緊急待避した。海洋警察はボートに船員１９人を乗せ３０００トン級警備艦に移動しているところを高波でボートが転覆したと明らかにした。

ボートが転覆すると海洋警察は警備艦と航空機、ヘリコプター、海洋警察特攻隊などを動員して船員１９人を順に救助したが３人は死亡したまま引き揚げられた。また、２人は意識不明状態で救助されヘリコプターで病院に運ばれたが死亡した。午後２時５分ごろに転覆したボートの中で意識不明で発見された海洋警察隊員は済州市の病院に運ばれた。事故を起こした貨物船には中国人１３人とフィリピン人６人の１９人の船員が乗っていた。貨物船は午後３時５０分ごろに沈没した。