【社説】スーパー円高は終わった…錯視現象から抜けなければ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.03.29 09:41
1ドル=75円まで進んだ円相場が今年に入って急に下がり83円台を行き来している。米国のサブプライム問題と欧州の財政危機から始まった「スーパー円高」時代は幕を下ろす兆しだ。この3年余りの間に日本経済はぐらついたが円は独歩的な強勢を続けてきた。円がドルやユーロに比べ相対的に安全な避難所と見なされたためだ。最近欧米の経済が回復の兆しを見せ、日本が円高阻止に力を入れ始めて状況は変わった。日本は10兆円を超える大規模な市場介入を行い、日本銀行はインフレターゲットまで導入しながら円高修正を進めている。
当分の円下落傾向の観測が大勢だ。日本の格付けが低くなり、貿易収支も赤字に転換したためだ。日本の経済成長は底をはっており、財政不良など構造的不安要因も隠れている。日本の超低金利に円下落の見通しが優勢になれば円キャリートレードも急増するはずだ。円が国内から海外に流れて行くほど円の価値はさらに下がることになる。国際金融市場が追加的な円下落傾向を占う背景のひとつだ。
円相場の急変は韓国に大きな影響を及ぼす。電機電子、自動車、化学など両国の主力輸出品目が競争関係にあるためだ。円キャリー資金も金融市場が開放された韓国市場に集中するのが常だ。これまで韓国はスーパー円高の反射利益を確実に得てきたのは事実だ。日本の輸出企業が大幅な損失を出している間に韓国の輸出大企業は過去最大の業績を上げた。自分の実力というよりは円高ウォン安の為替相場の効果が明暗を分けたという点は否定しがたい。