【中央時評】最後まで行くという韓国政府の所得主導成長(1)

【中央時評】最後まで行くという韓国政府の所得主導成長(1)

2018年11月28日13時06分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  張夏成(チャン・ハソン)前青瓦台(チョンワデ、大統領府)政策室長は退任前、「韓国経済の累積した矛盾は市場で作られた。経済を市場だけに任せるべきという一部の主張はより大きな矛盾をもたらす」と述べた。市場が積弊ということだ。先週には金顕哲(キム・ヒョンチョル)経済補佐官が「短絡的に繰り返される経済危機論は改革の芽を摘み取るものだ」と述べた。所得主導成長に対する健全な批判までも陰謀説として耳をふさいだ。

  一般の人にとってこういう形態はよく分からないかもしれない。しかし所得主導成長の原典を読んでみると全くおかしなことではない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の周辺でこの概念を入力させた人物らが崇めるようにしている2つの文献がある。一つは2012年に国際労働機関(ILO)から出た『賃金主導成長:概念、理論、政策』論文であり、もう一つはこの論文を執筆したカナダ・オタワ大のマルク・ラヴォア教授の著書『ポストケインズ学派経済学入門』だ。

  次は所得主導成長論者にはバイブルと変わらないこの本の内容だ。「自由放任資本主義は破壊的な競争と浪費を招く」(211ページ)、したがって「国が市場を規制し、総需要を管理しなければいけない」(45ページ)とし、「持続的な国の介入だけが高い完全雇用水準で経済を維持する」(168ページ)。

  この本の論理に基づくと、文在寅政権が労働改革に背を向けて貴族労働組合ばかり後押しするのは当然だ。最低賃金を急激に引き上げ、週52時間労働を強行するのも同じだ。

  「労働構造改革は雇用の不安を招く」(19ページ)とし「強力な労働組合が存在してこそ実質賃金の下落を遮断し、全体の雇用・生産・生活水準を向上させる」(168ページ)、「仕事を分けても時間あたりの実質賃金の上昇が伴わなければならない。そうでなければ有効需要の減少を招く」(175ページ)。

  所得主導成長論はこのように自由競争と市場経済を憎悪し、市場の見えざる手を否定する。したがって国が価格も管理し、賃金も上げ、金融も規制しなければいけないという立場だ。労働者寄りの分配のため「拡張的な財政政策で支えるべき」と主張する(20ページ)。

  では、所得主導成長は本当に成功すると信じるのだろうか。ILOの論文で注目すべき点は経済学の論文にはふさわしくない「~となる可能性が高い」「~となる可能性が高いことを示唆する」などのあいまいな表現が非常に多い。それだけ無理な仮定と論理的飛躍が含まれている仮説だ。賃金上昇が消費を増やして経済を成長させるという漠然とした相関関係を主張するだけで、確実な因果関係は証明できなかったからだ。

【中央時評】最後まで行くという韓国政府の所得主導成長(2)

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