【中央時評】韓国が米中「サンドイッチ」のジレンマから抜け出すには(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.04.06 11:00
時ならぬサンドイッチ論争が真っ盛りだ。中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)加入問題や米国の高高度ミサイル防衛(THAAD)体系導入をめぐり韓国政府が米国と中国の顔色をうかがいどちらもタイミングを逸したのではないかとの疑問が提起されてだ。朴槿恵(パク・クネ)大統領まで乗り出して「顔色をうかがう外交」ではないと線を引き、外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官も韓国が主導権を持って国益に合う選択をしたと強調したが、世間の反応は冷淡に見える。
政府の動きを見る視点は大きく2つに分かれる。ひとつは中国便乗論だ。米国と中国の勢力シフトはすでに既定事実であり、「傾く米国」にこだわるよりは「浮上する中国」と協力していくのが正しいという見方だ。経済だけでなく北朝鮮に最も大きな影響を及ぼせる国が中国なので韓米同盟という過去の慣性にあえて縛られずに中国との戦略的協力パートナー関係を前向きに深めていこうということだ。こうした観点で見れば米国の反対にもAIIB加入決定を下しTHAAD配置に対しても明確な結論を下していない韓国政府の動きはとても望ましいわけだ。
反対の見方も少なくない。勢力シフトははるか彼方のことであり米国が再び世界秩序を主導するといういわゆる「パクス・アメリカーナIII」学派が代表的だ。第2次世界大戦直後と1990年代初めの冷戦解体直後の2度にわたり覇権的主導権で新たな世界秩序を作ったように、この数年こそ困難を経験してはいるが21世紀初めから中盤の世界秩序はやはり米国が作るという見方だ。