【コラム】韓国で広がる「中国例外論」
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2013.09.27 17:48
駐中韓国大使館のある外交官との昼食の約束に行ったところ、彼は読んでいた本を閉じて私を迎えた。最近のベストセラーの『ジャングル万里』だった。この本を書いた作家チョ・ジョンレ氏は最近、あるメディアとのインタビューで、「『中国を中国人の視点で見るべき』という結論に到達した」と自分の現地取材経験を述懐した。最近、韓国の識者層の間で共感を得ている「中国読解法」だ。中国は中国なりの複雑性と独特の世界観を持つため、外部の基準でむやみに裁断してはならないということだ。西側の視点で中国を眺めることに慣れている韓国社会に対する警鐘だろう。中国は中国なりの処理の仕方、人権に対する理解があり、中国の政治風土に合う「ガバナンス」システムがあるということだ。一言で中国は“何か”が違うということだ。
そのためかは分からないが、1992年の韓中修交後、韓国は中国の民主化や人権問題に沈黙を守り、ひたすら商売に熱中した。中国政府が敏感に感じる点に触れないのがビジネスによいという考えを抱いているようだ。毎年、韓中修交記念日には欠かさず貿易量の増加が登場する。あたかもそれが韓中関係がうまくいっていることを語る指標のようにだ。1週間に800便以上の航空機が両国を往来しているという事実は、両国民がそれだけ近づいたことを立証しているようだ。
中国の内心を本当に理解するには、中国が19世紀初めに西欧列強の侵略を受けた、いわゆる「100年汚辱の歴史」を理解しなければならず、中国人が西側に感じている被害意識を考えなければならないという。こうした論旨は同じアジア人として十分に共感できるものかもしれない。こうした視点はすべて「中国例外論」を目指している。20世紀に流行した「米国例外論」と似ている。米国例外論とは、米国を歴史の普遍的発展過程から外れる例外的な存在と見なす観念だ。米国人が欧州を対象に自らのアイデンティティを説明しようと作ったパラダイムだ。