【時論】バランスが取れた新しい歴史教科書を作ろう(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.04.28 10:05
また新しい教科書は「民衆主義史観」の枠からも抜け出すべきだ。国民の中には民衆もいてエリートもいるので、すべてを含めてこそ「バランスが取れた」記述になる。このためにはまず、東学の歴史が多くのページにわたって記述されているのに対し、エリートである開化派の活動については否定的な立場で少ない分量で扱われている慣行を改めることから始めなければならない。それは国民を構成しているすべての個人の自由と基本権を最高の価値と考える世界普遍的イデオロギーの自由主義を土台とした「自由主義史観」の受け入れを意味する。
今まで民族・民衆・統一という名分を打ち出した「民族主義史観」と「民衆主義史観」はその主張が抽象的という批判にもかかわらず、大韓民国内部の問題点を洗い出すという機能を遂行した。しかしもうそれは、より現実主義的な「国民主義史観」と「自由主義史観」に主流の席を譲り、その役割に合った適切な位置を見いだす時になった。こうした変身は信念の変化からくるというよりも、「ありのままに」記述するという歴史学者の本来の任務を忠実に果たそうとする学者的姿勢の再確認からくるものであろう。