今日の韓国は国際的に独特のイメージを広めるのに成功した。いわゆる「コリアンライフスタイル」は世界に広く知られ、アジアではすでにかなり以前から「高級アジア文化」と同義語になっている。数年前にシンガポールを訪問した際、高級デパートの最も良い位置に、韓国化粧品の売り場が欧州の有名ブランドと並んでいるのを見て驚いた。中国・上海の高級ブランドが並ぶショッピングセンターにも済州道産の化粧品があった。シンガポールに住む私の知人によると、そこでは時々コピー商品が問題になるという。「Ｍａｄｅ　ｉｎ　Ｋｏｒｅａ」と表示して高く販売したりする。さらにシンガポールには「ソウル」という商標を使う衣類ブランドまである。

韓流はこのように世界各地で威力を発揮しているが、残念ながらロシアではそれほど存在感が感じられない。電子製品と自動車を除けば、韓国文化はロシアの大衆にあまり知られていない。両国国民ともに感性的なテレビドラマが好きで、おしゃれに関心が多いという点を考えれば、やや意外なことだ。ロシアには「人はまず外貌で判断され、知性は後に知る」ということわざがある。服装は第一印象において非常に重要ということだ。

来月初め、朴大統領は２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会議に出席するためロシアを訪問する。筆者はロシア人として、今回のロシア訪問のため朴大統領がどんな服を準備するかに大きい関心を持っている。首脳会談が開かれる保守的で古典的な都市サンクトペテルブルクのロシア人が感心するほどディテールにまで繊細さを見せることを期待する。韓国人ほどロシア人も文化的な国粋主義者であり、文化的な部分に少なからず意味を付与するためだ。　（中央ＳＵＮＤＡＹ第３３７号）

◆イリナ・コルグン＝ロシア・サンクトペテルブルク大学の国際経済大学院を０９年に卒業。２０１１年に韓国外大ロシア研究所の研究教授として赴任。　


【コラム】期待される朴大統領の訪露ファッション（１）