実際、安教授の出馬説が報道された後、周辺では安教授を心配する声が少なくなかった。すでに安教授は科学者・教授・事業家・医師として若者の憧れの対象だった。単に知識や財産が多いという理由ではなく、正しい姿勢と献身的な態度で若者のロールモデル（Ｒｏｌｅ　Ｍｏｄｅｌ）に選ばれた。安教授の講演を聞くために多くの青春が集まった。安教授はすでにどの誰よりも私たちの社会に多くの寄与をしてきた。

その安教授が政界に飛び込むのが果たして望ましいのか、疑問を感じないわけにはいかなかった。ソウル市長は安教授が考える行政職ではない。呉世勲（オ・セフン）市長で確認されたように政界の最前線だ。安教授が適応するのは容易でない。政界を改革すると言いながら飛び込んで、泥水に流される可能性が高い。こうした点で出馬放棄は、むしろ私たちの社会により多くの寄与をすることになるかもしれない。

結果的に安教授は今回の出馬騒動ですでに政治発展に大きく寄与した。安教授は自分に対する支持を「既成政界に対する不信」と規定し、「（出馬説に揺れる）虚弱な政治家に国を任せたというのにあきれる」と政界の覚醒を促した。正確に民心を代弁することで与野党に関係なく政界に警告を発した。安教授が元の位置に戻ったように政界も本来の位置に戻る必要がある。それが常識だ。


【社説】一発ショーに終わった安哲秀出馬説（２）