韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領は２０日、「国民の間で経済に関する心配が多いだけに、国会も一緒に心配する気持ちで、補正予算が機を失することなく適時に効果を出せるよう迅速な審議と処理を要請する」と述べた。

文大統領はこの日午後、青瓦台（チョンワデ、大統領府）で開いた首席補佐官会議で「政府の補正予算案が国会に提出されてから１カ月近く審議されず残念だ」とし、このように呼びかけた。先月２５日に政府が国会に補正予算案を提出した後、文大統領が補正予算案の処理を要請したのは今回が６回目。

文大統領は補正予算案の具体的な内容に関し、「今回の補正予算は粒子状物質と江原道（カンウォンド）山火事、浦項（ポハン）地震など災害対策予算と景気対応予算の２つで構成されている」とし「災害対策予算の緊急性は政界でも誰も否定せず、景気対応予算も１－３月期のマイナス成長からの回復のために切迫した必要性があることを否定できないはず」と強調した。続いて「ＩＭＦ（国際通貨基金）は我々に財政余力があることを理由に９兆ウォン（約８３００億円）の補正予算を勧告したが、政府の補正予算案はそれよりはるかに少ない」と述べた。

文大統領はこの日、３大重点育成産業分野として明らかにしたシステム半導体に続き、バイオヘルス分野と未来自動車分野の育成の意志を改めて明らかにした。文大統領はバイオヘルス分野に関連して１４日に欧州連合（ＥＵ）が韓国を７番目にＥＵホワイトリストに登載したことに言及した。文大統領は「ＥＵに医薬品を輸出する際、製造・品質管理基準の書面確認書を提出しなくてもよい国になった」と述べた。

文大統領は「わが国の能力とレベルを自らがよく知らないことが多い。バイオヘルス産業分野の競争力もその一つ」とし「まだ不足する部分が多いが、政府がバイオヘルス産業を新しい成長動力としたのは十分に根拠がある」と述べた。続いて「近く発表することになるバイオヘルス産業革新戦略を関係長官会議などを経てうまく準備してほしい」と要求した。

文大統領は未来自動車分野に関しても「今年１－４月のエコカー国内販売と輸出が前年同期比で３０％ほど増えた」とし「政府の財政投資と政策支援が産業草創期に未来の産業を率いるのに大きな役割をするという事実を確認できる」と強調した。

◆韓米軍指揮官、きょう青瓦台で懇談会

文大統領は２１日、韓米軍主要指揮官を青瓦台に招請して懇談会を開く。文大統領が韓国軍と在韓米軍司令官をはじめ韓・米軍指揮部を青瓦台に共に招請したのは就任後初めて。