新聞記者は国内外の新聞をあまねく読まなければならない職業だ。この頃、韓国と米国の新聞は言語の差を越えて記事の見出しだけを見てもひと目で区分できる。江南（カンナム）駅１０番出口、九宜（クイ）駅スクリーンドア事件など…。韓国新聞は怒りと悲劇の感情であふれ返っている。政府は連日殴られる袋叩きのような境遇だが、常に最後には「政府が乗り出してほしい」と要求されている。一方で米国の新聞には、人工知能・宇宙開発・電気自動車・自律走行車など新産業の輝かしい成果が紙面を埋め尽くしている。活力にあふれている。最も人気のあるニュースメーカーも政府関係者ではなく民間企業の億万長者だ。

先週アマゾンのジェフ・ベゾス氏は「すべての工場を大気圏外に移すべきだ」と主張した。「住居は地球に、工場は宇宙に」という壮大なビジョンだ。彼は「宇宙は地球とは違って２４時間ずっと太陽エネルギーを得られる」として「私たちが宇宙に出て行ってこそ地球を守ることができる」とした。自身がつくった宇宙企業ブルーオリジンを通じてエネルギーと環境問題を一挙に解決できるということだ。変わり者の成金の贅沢な趣味かもしれない。

だが、この時代の先端企業の導師たちが大挙して宇宙開発・人工知能・ドローンに参入している。まずベゾス氏とＸスペースのイーロン・マスク氏（電気自動車テスラ代表）はロケット回収－再発射競争の真っ最中だ。さらにポール・アレン氏（マイクロソフト共同設立者）とバージングループのリチャード　・ブランソン氏まで宇宙事業に加勢した。ドローンもアマゾン・グーグル・フェイスブックなど情報技術（ＩＴ）の恐竜たちがそろって参入した。驚くべき事実は、この分野で最初にひそかに参入した人物がベゾス氏だという点だ。

人工知能といえば私たちはグーグルの「アルファ碁」を思い出すが、米国は違う。アマゾンが１年半前に出したＡＩスピーカー「エコー（Ｅｃｈｏ）」が人工知能の主流だ。１９９ドルで、すでに３００万台以上が売れた。「Ａｌｅｘａ！」と呼べばエコーが目覚めて主人の声によって音楽をかけたりピザを注文したりする。子供たちとは感性の高い話を交わす。エコーの突風に一歩遅れて気ぜわしくなったのがグーグルとアップルだ。グーグルはＡＩスピーカー「グーグルホーム」を披露し、アップルは音声スピーカーにカメラまで装着したＡＩ新製品を出す形だ。


【時視各角】無気力な韓国、活気あふれる米国（２）