【コラム】セウォル号の忘却曲線=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.07.10 11:57
校内成績トップの秘訣が「徹底した復習」だと言えば知れたことだが一理ある。ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスの「忘却曲線」がその根拠だ。理論によれば、記憶しようとする意図がない前題で、人間は平均的に1時間過ぎれば記憶の半分を忘れ、1日過ぎれば70%を、1カ月過ぎれば80%を忘れるのだ。重要なことは、このL字曲線がそれなりに緩やかになるための唯一の方法は反復的な学習だという事実だ。
改めてこの記憶と復習の関連性を思い出させたのは、先週ある展示会を訪れたからだ。ソウル孝子洞(ヒョジャドン)のソチョンギャラリーで開かれた「壇園(ダンウォン)高校2年3班17番パク・イェスル展示会」。セウォル号惨事が起きてから85日目を過ぎ、すでに大多数の人たちが日常に戻って事故を少しずつ忘れ去ろうとしている頃、この展示が人々の関心と追悼の熱を再び導いている。
イェスルは死亡した293人の1人だった。絵に才能があった娘に注目していた父親は、イェスルが幼い頃から描いた絵を集めてきた。事故後、あるインタビューで展示会を開いてあげたいという話を聞いてソチョンギャラリーのチャン・ヨンスン代表が行事を提案した。「忘れないというけれど、一体何を、なぜ忘れてはいけないのかを言いたかったのです。事故それ自体ではありません。イェスルの夢、子供たちの夢が止まったという事実でしょう」。