【コラム】文在寅は金正恩の不安を落ち着かせることができる(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.05.21 13:40
柳博士は93年に青瓦台(チョンワデ、大統領府)に呼ばれて金泳三(キム・ヨンサム)大統領から南北基本合意書を拡張するための実行計画を作るよう指示を受けた。金泳三は「金日成は大物だから、我々が完ぺきに準備しなければやられる…」と言った。このような流れの中、迂余曲折を経て94年7月25日に行われるはずだった南北首脳会談は、わずか半月を残した7月8日に金日成の急逝で白紙に戻った。金正恩委員長は2015年の新年の挨拶で、祖父が南北首脳会談を控えて死亡する直前に残した「生涯最後の親筆」を取り上げて残念がった。政府高位関係者によると、金正恩は「祖父や父ができなかったことを私がする」と本気を見せている。核兵器を持っている限り、経済発展が難しいという自覚から始まったのだろう。
92年の南北秘密プロジェクトの構造は、南が北の開発計画を作り、UNDPが合格点を与えれば国際機構が資金を出すということだった。今でも有効なやり方だ。金東ヨン(キム・ドンヨン)経済副首相は「世界銀行・アジア開発銀行(ADF)・欧州復興開発銀行(EBRD)は、北朝鮮が開放・改革を行うなら、ノウハウを持って参加するとしている」とし「北朝鮮が支援を受けたいなら、まず国際通貨基金(IMF)に加入しなければならない」と話した。結局、開放経済の経験が豊富な韓国が一肌脱がなければ、北朝鮮が30年間1241兆ウォンがかかる鉄道・道路・電力などインフラ開発資金を用意する手段がない。それなら金正恩も大きな未来図を描きながら、韓国と米国を信じてCVIDを受け入れる大乗的な姿勢を示さなくてはならない。