<Mr.ミリタリー>南北が完全に断絶したJSA、これまで何があったのか?(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.11.17 15:19
北朝鮮兵士1人が銃弾を浴びながら亡命した板門店(パンムンジョム)共同警備区域(JSA)は今でも緊張感に包まれている。北朝鮮軍は亡命兵士の脱出経路にあるすべての部隊に対する経緯の調査はもちろん、一斉に問責に入ると予想される。映画『JSA』(朴賛郁監督、2000年)では、銃撃で韓国兵士イ・スヒョク(イ・ビョンホン)と北朝鮮兵士オ・ギョンピル(ソン・ガンホ)が銃で負傷し、軍事境界線の上に倒れる場面も出てくる。JSAとはどんなところなのだろうか。
JSA(Joint Security Area)は地球上で最後に残った共産陣営と自由陣営が対立する冷戦の現場だ。南北分断と戦争の記憶が生々しく存在するところだ。かつてJSA区域内では南北の間に軍事境界線(MDL)もなく、韓国軍を含む国連軍と北朝鮮軍が混ざって勤務していた。今で見るとMDLの南側に北朝鮮軍の哨所があった。このためJSAで勤務する南北の軍人が自然に会い、言葉も交わし、時には物を分け合ったりもした。1998年2月に板門店を通じて亡命した北朝鮮軍のビョン・ヨングァン上尉(大尉)に対する尋問の結果によると、北朝鮮軍は敵工課という、韓国兵士を抱き込むチームを設けて運営していた。敵工課に所属していたビョン上尉はJSA警備大隊のKATUSA兵士(在韓米軍基地派遣の韓国兵)に北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席の誕生日に掛け軸、花瓶、さらにロレックスの時計までそっと渡す贈り物攻勢で工作活動をした。韓国軍の兵士も北朝鮮軍にワインを渡すなど映画で見られるような状況があったのだ。この過程で韓国軍の4人が北朝鮮軍の工作に抱き込まれたりもしたという。