韓経:韓国自営業者の「悲鳴」…今年は100万カ所廃業

韓経:韓国自営業者の「悲鳴」…今年は100万カ所廃業

2018年07月30日10時06分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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急激な最低賃金引き上げの余波でコンビニ運営が難しくなり新規契約を断念する事例が相次いでいる。ソウル・中区のあるコンビニで店主が商品を移動している。
  国家経済の毛細血管であり庶民経済の根幹である自営業が奈落に落ちている。無給家族従事者118万人を含めた関連従事者688万人で韓国の全就業者の25%を占める自営業がつまずき、所得主導成長を掲げた文在寅(ムン・ジェイン)政権になり雇用と所得分配はむしろ悪化の一途だ。

  国税庁の国税統計と小商工人連合会などによると、今年廃業する自営業者は過去初めて100万人を超えると予想される。年間開業数比の廃業数で示す自営業廃業率は2016年の77.8%から昨年は87.9%に高まった。今年は90%に迫るだろうというのが業界の推定だ。自営業者10人が店を開く間に9人近くが店を閉めるという話だ。

  自営業の廃業が急増する理由は、景気が悪化する状況でコストは毎年大きく膨らんでいるためだ。小商工人市場振興公団関係者は「消費沈滞に労働時間短縮の余波でお客は途絶えているのに最低賃金は2年間で30%近く上がることになり、個人食堂とコンビニエンスストアには耐えらない」と話した。小商工人市場振興公団によると1-3月期の自営業者売り上げは前年同期比12.3%減ったと調査された。

  自営業者が感じる体感景気もやはり急激に冷え込んでいる。韓国銀行が発表した7月の景気見通し消費者動向指数(CSI)を見ると、自営業者の指数が79でサラリーマンの91より12ポイント低かった。韓国銀行が関連統計を作成した2008年7月以降で自営業者がサラリーマンに比べ大幅に低い。景気見通しCSIは6カ月後の景気状況に対する判断を示す指標だ。100未満なら否定的に答えた世帯が肯定的に答えた世帯より多いという意味だ。

  「自営業の現場を視察すると政策と体感指標間の乖離は深刻な水準だ」。

  最近現場訪問を増やしている金東ヨン(キム・ドンヨン)副首相兼企画財政部長官が17日に「共に民主党」との政府与党協議でした発言だ。売り上げ減少と商店街の空室率などが思ったよりも激しく、副首相でさえ自営業危機を深刻に受け止めているという話だ。

  自営業危機はJノミクス(文在寅大統領の経済政策)の最も手痛い部分だ。文在寅政権は発足から1年間に所得主導成長を掲げて最低賃金を今年16.4%上げたのに続き来年も10.9%引き上げることにした。人件費上昇の負担は零細自営業者には直撃弾だ。

  自営業危機はあちこちで数字で確認される。自営業の廃業は急増し、残っている自営業者の状況は悪化の一途だ。従業員を解雇して事業主の労働時間を増やしても所得減少を避けるのは難しいのが実情だ。最低賃金を稼ぐことも厳しい状況で来年はさらに大きな波が近づく見通しだ。

  ◇最低賃金も儲けられない自営業者

  零細自営業者の所得は賃金労働者の水準を下回っている。最低賃金委員会使用者委員が4日に最低賃金委員会に提出した2019年度最低賃金事業別区分適用案を見ると克明にあらわれる。5人未満の労働者を雇用している小商工人と自営業者は月209万ウォンを稼いでいることが明らかになった。賃金労働者の329万ウォンより120万ウォンも少ない数値だ。ソウル地域の同じ業界の労働者の月平均賃金を100とした時に小商工人の所得は卸・小売業が78.8、運輸業は65.4水準となった。今年の最低賃金引き上げにより自営業者の所得が減少し賃金労働者との格差が大きくなっていると分析された。

  相当数の自営業者は今年の最低賃金である月157万ウォンも稼げていないと調査された。全国コンビニ加盟店協会によると、コンビニ店主の平均月収は昨年195万5000ウォンだったが今年は130万2000ウォンで33.4%減った。ソウル市立大学経営学部のユン・チャンヒョン教授は、「零細自営業者がアルバイト生より所得が減っている。急激な最低賃金引き上げなど反市場的な政策を引っ込めて自営業の生態系を復元する対策が緊急だ」と指摘した。

  ◇仕事は多く…家族まで動員

  自営業者の労働環境は悪化している。新韓銀行が先月に出した「2018普通の人金融生活報告書」を見ると、自営業者の平均労働時間は週47.3時間で大企業社員の46.6時間、中小企業社員の44.6時間より長かった。賃金労働者より1カ月に最大11時間多く働いていることになる。

  最低賃金引き上げで従業員を抱えるのはますます難しくなっている。単独で店を運営する自営業者は増える傾向だ。統計庁の経済活動人口調査によると、雇用する従業員がいる自営業者は1月の166万3000人から6月には166万2000人に減ったのに比べ、雇用する従業員がいない自営業者は同じ期間に387万1000人から403万9000人に増えた。営業に家族を動員する事例も増加している。家族が運営する事業者で働く無給家族従事者は1月の96万5000人から6月には118万人に増加した。

  こうした傾向は国家経済にも否定的影響を及ぼすと分析される。慶熙(キョンヒ)大学テクノ経営大学院のキム・ウヒョン教授の論文「自営業が国家経済に及ぼす影響」によると、従業員がいる自営業者が1%増加するのは5年間の経済成長率(実質国内総生産基準)を累積で11.3%増加させるが、従業員がいない自営業者の1%増加は2.58%減少させることが明らかになった。

  ◇来年がさらに問題

  来年に最低賃金が追加で10.9%引き上げられると自営業者の経済状況はさらに急速に悪化すると予想される。国会産業通商資源中小ベンチャー企業委員会所属の自由韓国党ユン・ハンホン議員が中小ベンチャー企業部に提出させた最低賃金影響率資料を見ると、来年に1時間当たり最低賃金8350ウォン(現在7530ウォン)を適用される全賃金労働者のうち98%の284万1000人が中小企業・小商工人事業所で働くことが明らかになった。従業員300人以上の大企業の労働者は2%の5万8000人にすぎなかった。

  韓国外食業中央会ソウル市協議会のイ・クンジェ会長は「最低賃金引き上げの余波で物価まで上がる見通しのため自営業者は本当に死ぬ思いだ。景気が悪化しコストがさらに急増する来年は想像以上の大乱が広がる可能性が高い」と懸念している。

  
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