【コラム】柔らかい朴槿恵が疲れた朴槿恵を救う(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.01.21 09:16
生前のスティーブ・ジョブズは毎朝、鏡を見ながら「今日が私の人生の最後の日なら、今日私がしようとしていることを果たしてするだろうか」と自問した。アップルのすべての技術を渡してでもソクラテスと半日を過ごすことを望んだのは、自らを改革するための神の手が必要だったためではないだろうか。
いったいソクラテスはどのように転換の覚醒を得たのか。彼は紀元前5世紀、アテネの軍人としてスパルタと死活をかけて戦ったペロポネソス戦争に3度参戦した。500万人の大軍を動員したペルシアの侵入を50年間防いだ後のギリシャで繰り広げられた凄惨な同族間の争いの内戦だった。人が生きるために人肉を食べる地獄をソクラテスは経験した。アテネの人々はある日、軍人ソクラテスが立ったまま考えにふけて夜を明かす場面を目撃した。「熟考しない人生は生きる価値がない」という悟りは、このように出口のないアポリア(aporia)の絶望と混沌の中で誕生したのだろう。