【グローバルアイ】新型インフルエンザの「日本式」対応

【グローバルアイ】新型インフルエンザの「日本式」対応

2009年05月21日15時13分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
comment
0
share
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixi
  海外歴訪のため10日に日本に来た放送通信委員会の崔時仲(チェ・シジュン)委員長の一行は、成田空港で1時間以上も足止めを食った。 同行記者の1人が機内検疫で37.8度の体温が感知されたからだ。 不意に記者を含む数人が一時隔離された。 日本政府が新型インフルエンザ疑い患者とする体温の基準は38度。 しかし検疫当局は内部基準上‘四捨五入’して38度になれば隔離する。 再検査した結果37.4度と出て、一行は運よく‘解放’された。 場合によっても1週間ほど成田近隣の施設で外部と隔離される可能性もあったのだ。

  企業でも大変な騒ぎだ。 広告会社の電通の場合、出張であれ旅行であれ海外に行ってきた社員は5日間出勤させない。 また外国からの来客はいっそのこと本社の社屋に入れない。 急ぎなら外部で担当職員がマスクをして外国人客に応対する。 筆者が知る出版社の記者の場合、5月初めの連休中に韓国に行ってきたという理由でなんと10日間も家で待機させられた。 NECは本社正門に赤外線カメラを設置し、出勤する社員の体温を確認している。 街中も地下鉄もどこへ行っても見えるのはマスクばかりだ。

  最近は「過剰な対応だ」という声も出てくるようになった。 新型インフルエンザは症状が軽い「弱毒性ウイルス」だ。 日本国内の感染者が増えたというが、症状が深刻な事例はない。 さらに有効な治療薬「タミフル」「リレンザ」が人口の約3分の1に相当する3800万人分も確保されているのだ。 こういう話を静かに聞いていた日本人の知人がこういう解釈をした。

  「韓国は‘弱毒性’といえば‘それなら特に問題はない’と考えるかもしれないが、私たち日本人は違う。 ‘日本で多くの死者が発生したスペイン風邪も最初は弱毒性であって…’という考え方をする。DNAが違う」

  1918年3月、米カンザス州で発生したスペイン風邪は当初‘三日風邪’と呼ばれた。 3日過ぎれば治るという話だった。 ところが6カ月の間にウイルスが変移を起こした。 日本だけで45万3000人の死者が出た。 豚ウイルスが変移を起こして人から人への感染力が生じたように、スペイン風邪と同じウイルス構造を持つ新型インフルエンザもある瞬間に毒性が強くなる可能性があるということだ。

  ウイルスという概念さえなかった当時と現状況を単純比較するのは難しい。 しかし新型インフルエンザに対する日本人の対応は、長い歳月の間に蓄積した生活の価値を反映している。 最上の選択よりも最悪を避ける選択に慣れているのが日本人だ。 大金を儲けることができなくても会社がつぶれずにいつまでも続くことを企業経営の最高価値と考え、ぐっと堪えて最悪を避ける選択で一貫した徳川家康を敬うのも同じ脈絡だ。 ただ「騒ぎ過ぎだ」と皮肉るようなことではないのだ。 もちろん最上のシナリオに浮かれやすい韓国と、最悪のシナリオを心配する日本の中間程度なら最もよいのだが。
【今日の感想】この記事を読んで・・・
興味深い
悲しい
すっきり
腹立つ
役に立つ

今日のイチオシ記事