党内外では金武星（キム・ムソン）代表体制が登場した後、セヌリ党で加速化している「脱朴」現象の一断面だという話が多い。

金代表は、事務総長など主な党職に親李明博系や若手を大勢起用した。党革新委員長の座にも、ずっと朴大統領と角を立ててきた金文洙（キム・ムンス）元京畿（キョンギ）道知事を座らせた。遠からず鄭夢準（チョン・モンジュン）元議員も党に引き込むという構想だ。一方、親朴槿恵系は求心点だった崔炅煥（チェ・ギョンファン）元院内代表が政府（経済副首相）に出た後、明確な党内の求心点がない。金代表と争った徐清源（ソ・チョンウォン）最高委員は発言を自制している。そのうちに自然に青瓦台に対しても「言うべきことは言う」という雰囲気が生まれ始めた。金代表本人が崔副首相と公開的に財政健全性の論争を行ったのもこうした雰囲気に影響を及ぼしたと見られる。劉承ミン（ユ・スンミン）議員は「セウォル号の局面では、議員がこれまで青瓦台にさまざまな問題があっても話をせずに沈黙を守っていた面があった」として「与党の健全な批判には、青瓦台が耳を傾けなければならない」と話した。

だが、金代表が意図的に青瓦台とパワーゲームに出たと見るのは難しい。ある側近は「金代表は、朴大統領が成功してこそ自身の政治的未来も保証されるという考えは確かだ」と話した。実際に朴大統領はさまざまなチャンネルを通じて金代表に信頼のメッセージを投げたし、金代表も国政運営に積極的に協力するという立場を伝えたという。金代表が海外歴訪に向かう朴大統領に会いに空港まで行ったのが代表的だ。ただし昨年から不和を醸してきた金淇春（キム・ギチュン）大統領秘書室長とは、金代表がまだ刺々しい関係なので党と青瓦台の関係の不安定要素になっているという観測もある。

１９カ月間選挙がない合間を利用して、青瓦台が人気のない政策を一度にセヌリ党に「宿題」として投げたのも不機嫌な声が出てくる要因になっている。公務員年金改革、コメ関税化、タバコ価格引き上げなど全て利害関係集団の抵抗を克服しなければならない懸案で、２０１６年の総選挙も行わなければならない党としては支持率は特に助けにならない。曺海珍（チョ・ヘジン）議員は「青瓦台が選挙のない期間にあらゆる事をすべてするというのは強迫の恐れがある。もう少し精巧で緻密な戦略が必要だが、無条件についてこいという形ならば、野党だけでなく与党議員も説得するのが難しいだろう」と話した。


「無条件に従えというなら」…青瓦台に角を立てる与党（１）