【時論】相次ぐ高齢者の放火…福祉網の強化が必要=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.06.16 15:04
怒りが育つような土壌を取り除くことも重要だ。ローマの哲学者セネカは「怒りというのは切実に願うことと現実の間の不一致によって発生する」と言った。私たちが高齢者たちの希望を満たしているのか、そうではないのかを見て回る努力が必要だ。
かつて伝統的な農耕社会で蓄積された人生の知恵のおかげで高齢者は社会的な尊敬を受けていた。現代社会には、急速な変化によってもはや「高齢者のための国」は存在しない。高齢者たちは病気・貧困・孤独という3重苦に続き、役割喪失という4つ目の苦痛にさいなまれている。
高齢者たちは「漢江(ハンガン)の奇跡」の主役として若い時期を国家経済の建設と子供教育に捧げた人々だ。自分の親を自ら手厚く世話したので老後には当然、子供の扶養を受けられると予想して特別な老後の準備もなく老年期を迎えた。しかしその間に世相が変わり、老父母の扶養の相当部分が国家と社会の責任に変わっているが、これに対する国家的システムはまだ不十分だ。