【取材日記】「分配の悪化、緩和されている」という韓国政府の錯覚

【取材日記】「分配の悪化、緩和されている」という韓国政府の錯覚

2018年11月27日15時56分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  「政府政策の努力などに力づけられて(分配の)悪化傾向は次第に緩和されている」。統計庁が22日、発表した「第3四半期家計動向調査」の結果に対する企画財政部の公式評価だ。統計庁によると、両極化水準を見せる所得5分位倍率(均等化処分可能所得基準)が第3四半期を基準として11年ぶりに最も大きいことが分かった。それだけに所得格差が大きくなったという意味だ。金宜謙(キム・ウィギョム)青瓦台(チョンワデ、大統領府)報道官はこの日「重く受け止めている」と話したが、企画財政部はこれとは違う評価を出した。

  企画財政部が判断した根拠はこれだ。今年と昨年の四半期別所得5分位倍率の格差が第1四半期には0.6(5.35→5.95)だったが、第2四半期は0.5(4.73→5.23)、第3四半期は0.34(5.18→5.52)にますます減っているということだ。同時に、企財部は「雇用・低所得層への支援政策の効果が本格的に現れれば、低所得層の所得状況は次第に改善されるだろう」という見通しを添えた。

  所得関連統計は祝日・成果給支給時期など季節的変数に影響を大きく受ける。そのため、同年でも第1四半期と第2四半期の数値差に大きな意味がない。代わりに、同じ四半期を基準として過去の年度がどうだったかを比べる。主な統計に「前年同期比」という言葉がいつも登場する理由だ。

  ところが、企財部は逆に昨年と今年の所得5分位倍率差を四半期別に単純比較し、分配緩和という結論を出した。ソウル市立大学経営学部のユン・チャンヒョン教授は「これを時系列でない四半期別で比較するのは統計の季節性を無視したもの」とし「毎四半期ごとに5分位倍率が前年より大きくなり、11年ぶりに最も悪化した数値が出てきたという点が今回の統計の核心」と話した。

  このような「統計誤読」をめぐる議論が文在寅(ムン・ジェイン)政府に入って絶えない。文大統領は20日、閣僚会議で「鉄は熱いうちに打て」と呼びかけた。8~10月の自動車生産実績の増加、造船業の10月世界市場シェア1位の奪還が根拠だ。しかし、自動車・造船業界では「どこから熱くなるのか」という反応だ。主力産業の不振が深化し、雇用・生産・投資などに全方向的に危機の暗雲が立ち込めているのが現実だ。これに先立ち、政府は新規就業者の増加幅が急減した原因として生産年齢人口(15~64歳)の減少を挙げたが、失業者はむしろ増加するなど、つじつまが合わない解釈を出したりしている。

  都合の良い数字だけを選んで既存の政策を弁護する間に、韓国経済が手のほどこしようもなく腐っているのではないか懸念される。「一部の統計で大統領の目と耳を塞ぎ、誤った道に導く青瓦台の経済チームに厳重な責任を問わなければならない」(ソウル大学行政大学院のパク・サンイン教授)という指摘を政府と青瓦台は分かっているだろうか。

  ハ・ナムヒョン/経済政策チーム記者
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