グローバルスターの防弾少年団（ＢＴＳ）が行く先々には常にファンの行列が付き従う。国内外の各公演ではチケットをすべて完売させるチケットパワーが有しているからだ。ファンはこれを「防弾マジック」と呼びながらチケット争奪戦を繰り広げる。今月１０日、ソウル市庁前で開かれたイベント「ＲＵＮ　ＡＲＭＹ　ｉｎ　ＡＣＴＩＯＮ」の時も無料チケット１万枚が配布開始直後に売り切れた。この日、予約サイトは防弾少年団が直接参加しないファンクラブ「ＡＲＭＹ」だけのイベントだったにもかかわらずアクセスが暴走した。

２２日午後５時もこのような現象がみられるのではないかと注目が集まっている。防弾少年団の公演を無料で見ることができるチケットがインターネットサイトを通じて配布されるためだ。彼らが登場する舞台は４月２８日午後７時、光州（クァンジュ）ワールドカップ競技場で開かれるスーパーコンサートイベントだ。主宰側はこの日から３回にわたって無料チケット３万枚を「チケット１１番街」を通じて配布する。

コンサートは今年７月に光州で開かれる世界水泳選手権大会を盛り上げるためのイベントだ。防弾少年団のほかＭＯＭＯＬＡＮＤ（モモランド）やＩＺ＊ＯＮＥ（アイズワン）などＫ－ＰＯＰスターの舞台で、１１３日をカウントダウンしながら大会開幕を広報する。韓国で初めての開催される世界水泳大会は７月１２日から２８日まで光州と全南（チョンナム）、麗水（ヨス）で開かれる。

◆「有名税」で闇チケットに変質、アクセス過多への懸念も

無料チケットオープンが近づきながらファンの期待も高まっている。組織委員会側はアクセスの暴走でサーバーがダウンする可能性などに神経を尖らせている雰囲気だ。一部では「無料チケットがコンサート当日には闇チケットに変質する可能性がある」という懸念も出ている。防弾少年団の場合、１１万ウォン（約１万８００円）（Ｒ席）の入場券が闇チケット市場で１００万ウォン以上で売れたりする。

組織委が防弾少年団カードを持ち出したのは大会の雰囲気を盛り上げるためだ。人気スポーツの野球やサッカーなどと違い、水泳大会は短期間に大きな広報効果を上げにくいためだ。光州市庁内外では今回防弾少年団にオファーを入れるためにざまさまなルートを通じて接触してきた。

組織委が国内に先駆けて海外で広報活動を始めたのも大会を知らせようとする布石の一つだ。昨年から全世界を回って世界水泳大会期間に開かれる「マスターズ大会」を広報したのが代表的だ。

◆２００カ国・１万５０００人が参加する「グローバルまつり」

世界水泳大会は各国の国家代表以外にも各同好会の会員らが大勢参加するのが特徴だ。大会が開かれるときはマスターズ大会の出場者や家族などが開催地を訪れて観光を楽しんだり休息を取ったりする。水泳大会が世界陸上大会やユニバーシアード大会などに比べて経済的な波及効果が大きい理由だ。今回の光州大会には８０００人余りの同好会会員や家族が光州や麗水などの地を訪問する。

「地球村水泳まつり」と呼ばれる世界水泳大会は世界５大「メガスポーツ」のひとつだ。ワールドカップ（Ｗ杯））サッカーと夏季・冬季オリンピック（五輪）、陸上選手権大会と肩を並べる世界水泳選手権には２００余カ国から１万５０００人余りが参加する。韓国が今回の水泳大会を行えば世界５大メガスポーツをすべて開催した４カ国目の国になる。

◆北朝鮮参加・合同チーム構成にも関心

北朝鮮の参加および合同チームの構成に対しても関心が集まっている。これに先立ち、文在寅（ムン・ジェイン）大統領と北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長は昨年９月１９日に２０２３年夏季五輪共同開催計画などを発表したことがある。北朝鮮の場合、ダイビングとアーティスティックスイミング（旧シンクロナイズドスイミング）に優れた選手が多く、合同チーム構成に対する期待も高まっている。

世界水泳大会組織委のチョ・ヨンテク事務総長は「９月の平壌（ピョンヤン）共同宣言当時、南北首脳がスポーツ・文化交流を約束しながら北朝鮮の参加の可能性が高い状況」としながら「幅広いファンを確保したＫ－ＰＯＰスターの公演は水泳大会を知らせる序幕になるだろう」と話した。