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【グローバルウォッチ】韓国がトランプ大統領に与える教訓(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.31 14:53
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保健分野を覗いてみると、米国が置かれている境遇は一段と暗鬱としている。米国はどの先進国よりも医療・保健分野に多くのお金を注ぎ込んでいる。だが、米国人の期待寿命は経済協力開発機構(OECD)の平均よりもかなり下だ。プリンストン大の経済学者、アン・ケース教授とアンガス・ディートン教授が最近発表した研究結果は衝撃的だ。米国内の健康問題はトランプ支持者に集中していたのだ。米国の中年白人は「絶望死(dying of despair)」に苦しんでいる。ケースとディートンは先行研究で麻薬・飲酒・自殺・慢性肝臓疾患、肝硬変を中年白人米国人の死亡率増加の原因だと予想していた。だが、彼らの最近の発表によると、中年白人はこれらの病気だけでなく、事実上、他のすべての病気でも、その発病による死亡率が高かった。韓国を含め、ほぼすべての先進国の死亡率は下がっている。米国だけが取り残されている。

教育と保健体制を改革するのは簡単なことではない。韓国もまた、固有の問題を抱えている。韓国における大卒者の失業率はOECDで最高水準だ。韓国が直面している挑戦だ。大卒者の失業を解決するためには教育改革を越える総体的な改革が必要だ。だが、ここにはっきりとした教訓がある。韓国の長期的な成長を可能にしたのは教育へのたゆまぬ投資だった。

 
1980年代中盤の民主化以降、韓国は徐々に普遍的な医療保険制度を発展させた。韓国は医療分野でも問題点を抱えている。男性死亡率と女性死亡率の間に大きな開きがある。自殺率も異常なほど高い。白人中年男性たちと同じように、一部の韓国人、特に男性たちは「絶望死」を経験している。

もしドナルド・トランプが本気で米国を再び偉大にしたいと思っているのなら、彼は未来の労働力が求める高熟練および健康・保健分野にもっと集中的に投資するべきだ。米韓両国で社会政策を批判する保守主義者は、米韓両国の長期的成長がもたらした教訓を見逃している。究極的に言えば、成長はしっかりと教育を受けた健康な労働力次第だ。

ステファン・ハガード/カリフォルニア大学サンディエゴ校客員教授 

◆外部者執筆のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。


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