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【コラム】両極の毒針=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.06.18 10:44
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『ファーブル昆虫記』にはオニグモを狩る黒いハチが登場する。韓国にも生息するこの「ベッコウバチ」はクモの巣を避けてそっと近づいて毒針を刺す。しかし死なないほどの麻酔だ。気絶したクモを暗い巣に引っ張っていき、その周辺に卵を産む。目覚めた幼虫は息が絶えていない新鮮なクモの中身を徐々にかじりながら育つ。蚊とハエをなくす益虫のクモは結局、殻だけを残して最期を迎える。人間の生態系にも「クモの悲劇」がある。極端な思考と盲信、過激と暴力の毒が健康な社会をまひさせ、かじって枯死させる。

このハチは賢く、獲物の最も弱いところを毒針でねらう。硬い節の間の中枢神経節が急所だ。失業などで悪化した経済や失政、人権蹂躪、紛争と平和の危機などは毒針を刺す絶好の標的となる。

 
韓国社会に「親日派」と「パルゲンイ(赤い奴)」を叫ぶ極端な分裂と葛藤が再現している。極左と極右という両極の毒が胚胎された悲劇の地点は解放直後の混沌だった。当時2124人にすぎなかった38度線北側の共産党員は3年間で880万人が暮らしていた半島の半分に共産政権を築いた(『朝鮮民主主義人民共和国の誕生』)。なんと4000倍の強度に広がり北朝鮮に麻酔をかけた致命的な毒はまさに無償の土地・医療・教育と平等を強調した「社会主義楽園」だった。恐怖に直面した南側極右の左翼に対する暴力・テロが続き、金九(キム・グ)・呂運亨(ヨ・ウンヒョン)暗殺という歴史の悪循環が繰り返された。民間人だけで約100万人の戦争の傷あとをのこした南側。左派に対する憎悪とトラウマ、不信感は極右の生命力を絶えず維持させた土壌だ。世代が完全に変わらないかぎり…。

1980年代まで左派には軍部政権の暴力と人権弾圧、これを黙認した米国政権が攻撃の口実と生存の宿主になった。民主化が進展した90年代に入って彼らのユートピアだったソ連が崩壊し、北朝鮮発「苦難の行軍」が数十万人を餓死させた。「反米」と「独裁打倒」の動力は枯渇した。彼らがよみがえらせた標的は「親日」だ。過去の謝罪に消極的な日本、引火力が強い大衆の不満は立派なターゲットだった。しかも「親日派=既得権=独裁者の後えい」という「一石三鳥」のフレームまで合致した。「韓日関係の改善」という純粋な人たちの注文など耳に入るはずがない。

過激な極左と極右には共通の特性が感知される。20世紀に頻発した軍部クーデターや武力簒奪が減った代わりに、権力を握る者、または権力を狙う者の制度政界が両極の直間接な背後に位置している。フィナンシャルタイムズのコラムニスト、マーティン・ウルフ氏は「現代民主体制崩壊の40%は極端的、権威主義的な政治家が内部で民主主義を徐々に食いかじっていくため」と診断する。

「民族」と「愛国」を専有物として前に出す動きも共通点だ。ヒトラー(『偉大なゲルマン』)とムッソリーニ(『ローマ帝国の栄光』)のファシスト、スターリン(スラブ主義)はすべて民族の記憶と排他的、盲目的愛国を煽動して支持者を幻惑させた。「愛国」と「民族」を煽り、陣営外の人にはあらゆる類型の暴力を正当化する二分論者…。注意深く鑑別すべき脅威だ。愛と容赦、慈悲という宗教の本質とは極端にありながら、混乱した国と苦痛を受ける人たちを「自分たちだけが救援する」という者…。警戒の対象だ。誠実で善良な小市民の日常が本当の愛国だ。

両極の実体的危険は裁判所・議会・メディアなどの国家的、民主的制度を徹底的に無視しようとする破壊的な形態だ。裁判所の判決や弾劾などの法的結論、検察の独立などを無視したりメディアを脅迫、操縦しようとする逸脱は、毒針を隠し持つ者の明確な兆候だ。妙なことに極右と極左はお互い勢力を助け合う共生の滋養分になった。ヒトラーとムッソリーニの極右ファシズムは共産主義者などに対する憎悪を煽って執権に成功した。極左も極右のファシスト的な性向と既得権中心の階層不平等に対する呪いで生存する。「打ち倒せパルゲンイ」「親日派清算」ともにお互い存在するのに可能な「敵との同床」ということだ。

伝統メディアの代わりに事実のろ過機能がないSNSとインターネットを煽動の手段とすることになったのは、両極の自然な新しい傾向といえる。既得権体制に批判的であり記憶の荷から自由な「歴史的白紙」の若い世代を徹底的に洗脳の対象としながらだ。

すべての未来を捨てたままただ過去ばかりをかき回すのは最も嫌悪感を与える彼らの姿だ。ベッコウバチの毒針に刺されればその獲物は2-3週間もまひするという。韓国社会もすでに中枢神経のまひが始まったのではないだろうか…。極左と極右の毒針を防ぐのは、1カ所も崩れない強固な我々の理性だけだ。歴史の教訓を忘れてはいけない。しかし未来に向けた「合理」と「実用」の力、その分別力で健康な均衡を守らなければいけない。それがこの時代の「行動する良心」だ。

チェ・フン/論説主幹

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