「韓国の聴衆、ベートーベンよりチャイコフスキーにすぐに反応」

「韓国の聴衆、ベートーベンよりチャイコフスキーにすぐに反応」

2017年03月07日10時27分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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ビオリストのリチャード・ヨンジェ・オニール氏は「アンサンブル・ディット(Ensemble DITTO)」を10年間導いて室内楽の聴衆を発掘した。
  ソウル芸術の殿堂コンサートホールの客席は2523席だ。2007年、アンサンブル・ディット(Ensemble DITTO)の初公演では、1680席の有料観客がその音色に耳を傾けた。2008年には2350人に増えた。DITTOが毎年夏に開く公演は、2014年まで有料観客90%以上で事実上完売を記録した。

  DITTOのリーダーであるリチャード・ヨンジェ・オニール氏(39、ビオラ)は「10年前はこれほどの反応を予想できなかった」と振り返った。オニール氏にとって、DITTOは単に室内楽が好きで始めたことだった。「ベートーベン交響曲(9曲)、ピアノソナタ(32曲)は全曲演奏が多いが、弦楽4重奏(16曲)全曲の演奏はなぜしないだろうか、という単純な考えからスタートした」と話した。有名なソリスト、巨大なオーケストラ公演のスキ間にあった室内楽を前面に出した。DITTOは2人で演奏するデュオから弦楽8重奏まで、さまざまなスタイルを通じて演奏者を組み合わせた。固定したメンバーもいなかった。作曲家と作品を先に決めて、これに合わせて演奏者を集めた。

  若いアジア系男性演奏者のコンビネーションは観客の新しい反応を引き出した。DITTOは演奏者を主人公にして広報写真やハガキを印刷し、プロモーションビデオを製作した。客席では若い女性たちの歓声が聞こえた。実際、前売者は女性が90%、それも25~39歳が70%だ。

  オニール氏は「演奏者の組み合わせとマーケティングは公演企画会社でやった。私は室内楽音楽の価値を聴衆が理解してくれると信じていた」と話した。オニール氏は室内楽を草案だと考えている。「ピカソやラファエロの草案は、作家の天才的な才能をもっとよく見せてくれる。室内楽も作曲家の途方もない世界を素朴に含んでいる」と説明した。

  若くハンサムな演奏者の華やかに見える活動を支えたのは、このようにオニール氏の室内楽に対する確信だ。オニール氏は初年度をブラームスのピアノ5重奏で始め、その後もさまざまな作品を紹介した。バッハから始まり、難しく複雑な現代音楽まで網羅した。これはビオラ演奏者であるオニール氏の関心がビオラ音楽の外側に広く伸びていくからこそ可能なプロジェクトだった。オニール氏は「バッハやベートーベンの世界を知りたいが、ビオラ作品はほぼない。他の楽器のための音楽で、大きな絵を描くしかなかった」と話した。オニール氏は他の楽器のための独奏曲からオーケストラ作品まで手がけたビオリストだ。

  オニール氏はこの10年間で聴衆が室内楽にぐっと近づいたと考えている。「年を経るにつれて聴衆反応が徐々に直接的に感じられるようになった」と振り返った。聴衆がどのような室内楽音楽が好きなのかに対する情報も集まった。「シューベルトやベートーベンも人気だが、真の勝者はチャイコフスキーだった。彼のメロディには聴衆が直ちに反応する」と話した。また「リズムが難しい時でも聴衆はちゃんとついてきてくれるが、ハーモニーが複雑だと難しそうだった」と話した。

  失敗からも学んだ。オニール氏は「DITTO4年目に選んだ20世紀の作曲家コダーイ・ゾルターンは失敗だったと思う」と話した。ハーモニーとメロディが曖昧なので、聴衆が聞きにくそうだったということだ。オニール氏は「DITTO公演に対する構想は多いが、聴衆を拷問したくはない」と述べ、興行と深さのバランスを予告した。DITTO10周年記念公演は6月14日から7月2日まで6回開かれる。
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