◆サービス面の指摘も

しかしＬＣＣ業界の競争が激しくなり、安全面の問題も懸念されている。一部の企業が計画通りに追加で航空会社を設立すれば、７－８社が乱立する状況となる。さらに外国系ＬＣＣも国内に進出している。

一部では、ＬＣＣ間の競争が激しくなり、航空の安全などに対する投資が十分でなく事故につながったマレーシア航空業界と似た状況になるという指摘が出ている。大手航空会社では「安い航空券を提供しようとコストを削減すれば、安全問題に投資しにくい」と主張する。

サービスの質に対する不満は常に提起されている問題だ。老朽化した航空機をチャーターして運営し、整備を海外で受けるため、遅延や欠航も多い。国土交通部によると、国内ＬＣＣの運航１万回あたりの各種事故発生件数は０．６３件で、大手航空会社（０．１７件）より４倍も多い。

短距離路線中心では限界があり、ＬＣＣが長距離国際路線の就航に積極的に取り組んでいるが、大手航空会社ほど路線を確保するのは難しい。ある業界関係者は「ＬＣＣの進出で国内線が飽和状態に達したように、現在、アジア圏の中短距離国際線の競争はあまりにも激しい」と話した。中国地域の扉をたたいているが、航空自由化協定を結んでいないため進出が容易でない状況だ。とはいえ中国航路のハードルを下げようとすれば、さらに安い料金を武器に入ってくる中国航空会社が懸念されるため、政府は現状況を維持する計画だ。

今後の競争激化に対応し、ＬＣＣは現在より料金を引き下げる必要があるという指摘もある。ホ・ヒヨン韓国航空大経営学科教授は「外国系ＬＣＣに比べると、国内の航空会社は価格競争力で劣る方」と指摘した。従来の航空会社に比べ２０－３０％安いレベルであり、半分近い料金で販売する中国など外国系会社に比較すると、かなり競争力が落ちるということだ。


格安航空会社の“飛翔”と大手航空会社の”非常”＝韓国（１）