【コラム】韓日中で協力よりも葛藤の水位が高まっているのは…(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.05.13 17:06
国民主権を放棄した日本ナショナリズムは、すべての日本人の天皇に対する忠誠は帝国臣民の当然の義務として内面化するよう教育する一方、外には成功的な日本帝国の膨張を通じて国民の窮乏と不満を心理的に補償する動力となった。天皇が象徴する正義をアジアと世界へ伝播するための戦争は必ず勝たなければならず、正義は常に勝つという倫理と権力の相互補完論理が日本ナショナリズムの軍国主義的侵略を後押しした。アジア民族の解放を目標にするという、いわゆる「大アジア主義」も、ただこうした日本覇権主義のスローガンだった。
第2次世界大戦で敗亡したことで、日本は明治維新以前の島国に収縮し、帝国的なシンボルに集中した国家意識も軸を失って急激に退潮した。武力的な優越性で支えられた皇国観念が、米国の占領下では精神的真空状態に陥ることになったと診断した丸山教授は、「平和文化国家」という新しい国家像が果たして国民意識を牽引できるかと疑った。また日本ナショナリズムがいかなる形態であれ復活する場合があっても、植民帝国主義時代とは明確に違う基礎の上に立ち、その他のアジアナショナリズムの流れを背に負うことは必ず避けるべきだということを、すでに60年前に説明していた。