【コラム】東北アジア歴史財団はなぜ設立したのか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.05 14:00
東北アジア歴史財団は2006年9月にスタートし、今年で10年目を迎えた。高句麗・渤海など韓民族の古代史を奪おうとする中国の「東北工程」に積極的に対応し、日本の歴史歪曲と独島(ドクト、日本名・竹島)領有権主張に対抗するために教育部傘下の公共機関として設立された。青瓦台(チョンワデ、大統領府)が任命する理事長は閣僚級、外交部出身者が務めてきた事務総長は次官級であるほど地位が高い。博士級の研究員だけでも46人を保有する組織だ。
設立当時、国民と政界の支持を受けた。しかし10年目を迎えながら組織の活力が落ち、研究が惰性で行われているという批判が内外から提起されている。何よりも日本と中国の歴史歪曲を厳しく忠告する論理の開発が十分でないと学界は叱咤している。例えば古朝鮮の活動舞台と推定される地域で発掘された紅山文化を中国が「中華文明探源工程」レベルで中国史に編入されているが、事実上放置しているという指摘を受けた。日本が植民地支配を正当化するためにねつ造したという任那日本府説に痛烈に反論できなかったという批判も受けた。事大主義史観と植民史観は最も排斥して警戒すべき対象ではないのか。在野の史学者が「国民の税金で運営される財団が植民史観の本拠地」と直撃弾を飛ばしたほどだ。
財団の内部からも自省論が聞こえる。ある研究員は「設立の趣旨に合わせて仕事をするには、組織の構成と人事に問題があまりにも多い」と吐露した。