【コラム】大統領選挙後の韓国経済が心配だ(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.12.07 11:35
アレクサンダー大王が軍隊を率いて戦闘に出た。しかし敵軍の数は十倍にのぼり、兵士は士気を失っていた。するとアレクサンダーは寺院に寄って勝利を祈った。その後、手にコイン一つを持って兵士に向かって叫んだ。「祈祷の霊験を試す。コインの表が出れば私たちが勝利するはずで、裏が出れば敗北するだろう」。大王は悲壮な表情でコインを投げた。兵士はみんな息をのんでコインに注目した。表だった。すると兵士は歓声をあげた。士気は天を衝き、敵を大破した。勝利を祝う宴会で兵士は異口同音に語った。「神が祈りを聞いてくれた」と。しかしアレクサンダーは静かに話した。「いや、そのコインは両面とも表だったのだ」。
このエピソードを紹介する理由は大統領選挙後の経済のためだ。率直に話そう。私は今回の大統領選挙にあまり関心がない。朴槿恵(パク・クネ)候補と文在寅(ムン・ジェイン)候補の“ビッグ2”の差を知らないわけではない。しかしこう話すのは2つの理由からだ。まず誰が大統領になっても経済の回復は非常に難しいからだ。たとえ能力があるとしても、容易なことではない。李明博(イ・ミョンバク)政権の5年間の経済成績表を見れば分かる。経済大統領を名乗ったが、年平均成長率は3%にならない。しかし李明博政権が悪かったわけではない。韓国よりも低い国がはるかに多いのを見ても分かる。欧州発の財政危機による世界経済危機が決定的な理由だ。こうした事情なら、次の政府も同じはずだ。