韓経:【時論】米国の韓米FTA評価、均衡を失った見方に
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.06.28 09:02
韓米自由貿易協定(FTA)が最近、リッパート駐韓米国大使の発言をきっかけに論争の中心に立っている。韓米FTAで米国の製造業と雇用がどのような影響を受けたかを調査した米国際貿易委員会(USITC)の報告書も近く公開される予定という。その内容がどうであろうと、韓米FTAの評価をめぐり論争が加熱するしかない状況だ。
韓米FTAの評価に対するこうした論争は均衡が取れたものではない。韓米両国がお互い自分が見たい点だけを強調する姿であるからだ。時には誤解もあり、一般の人が理解しにくい内容も多い。両国間の貿易収支不均衡問題もそうだ。韓国の対米貿易黒字が韓米FTA発効後に増えたのは事実だ。2011年の124億ドルから昨年は280億ドルへと倍以上に増えた。
しかし韓国の対米黒字の増加はほとんどFTAの恩恵を受けていない乗用車や携帯電話、半導体などの輸出増加による結果だ。2015年の米国の韓国産製品輸入額720億ドルのうち乗用車が180億ドル、携帯電話が73億ドル、半導体が33億ドルと、この3つの品目が全体輸入額の40%を占める。ところが昨年まで韓国の乗用車輸出に対する米国の関税は韓米FTA発効前と同じ2.5%だった。携帯電話と半導体は韓米FTA発効前から関税がなかった。したがってこれら品目の対米輸出が増えたからといって、これをすべて韓米FTAの影響と見るのは適切でない。