【コラム】情熱と粘り強さのない社会には未来がない=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.05.20 11:02
韓国陸軍が新兵訓練からの20キロメートル完全軍装行軍廃止を試験運営している。陸軍は今年6月までに、新兵訓練で行軍をした集団としない集団の体力・戦闘技術などを測定して行軍廃止を決定する方針だ。これは、軍服務期間が短くなり新兵の基礎軍事訓練も縮小せざるをえなくなったことに伴うものだ。
個人的に行軍廃止に反対する。30年前の6月末、空軍学士将校いわゆる任官を1カ月後余りに控え、2泊3日の日程で80キロメートルの行軍をしたことがある。灼熱の太陽の下、完全軍装で1日30キロメートルほどを歩くのは苦役だった。硬い軍靴を履いて歩いたところ足には水ぶくれがあちこちにできて、一日の行軍を終えると消毒した針で水ぶくれを破るのが日課になった。汗まみれで食事がうまく喉を通らず、水筒の水ばかりを飲んだ。だが、80キロメートルの行軍を終えた時の達成感は到底言葉にすることはできない。難しいことをやり遂げたという成就感と共に、困難にぶちあたっても越えていけるという自信がついた。新兵にとって20キロメートルの完全軍装行軍は、訓練兵から軍人に成長する通過儀礼ということができる。大変だが克服した時の喜びを感じさせて軍人生活を最後までやり遂げることができる滋養分になる。
米国ペンシルバニア大心理学科のアンジェラ・ダークワース教授は著書『やり抜く力 GRIT(グリット)』(以下、『GRIT』)で、さまざまな事例と統計を通じて卓越した成就を成し遂げた人の秘訣は、才能ではなく氏が「グリット」と呼ぶ情熱と粘り強さの組み合わせである点を力説した。ダークワース氏は難しいことに挑戦して成功した経験がグリットを育て、グリットがどれくらいあるかが個人または組織の成功を計る尺度だと明らかにした。