「慰安婦のおばあさんの痛み、あってはいけないこと…映画で全て伝えたい」(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.05.18 14:58
この頃、日本語が可能な女優を探すために日本を訪れた『鬼郷』のチョ・ジョンネ監督と縁ができた。在日同胞劇団「タルオルム」を運営するハナさんの母親キム・ミンス代表がチョ監督に会ったのだ。主人公のキャスティングに困っていたチョ監督にキム代表が娘を紹介した。子役が足りない時、母親の演劇に出演していたハナさんに演技経験があったためだ。ハナさんは作品が求めていた「チョンミン」のイメージにぴったり合っていた。だがチョ監督とキム代表は慎重に台本を読んでみてから決めるとしてハナさんに時間を与えた。10代が演じるには大変なシーンがある上、何よりも日本で右翼の活動が強まる状況が憂慮されたからだ。だが「阪神教育闘争(在日朝鮮人が48年大阪と兵庫県で行った民族教育闘争)」など在日韓国人をテーマにした母親の演劇で歴史の勉強をしてきたハナさんは、即座に決心した。「ほかの映画だったらしなかったかもしれないが、特に慰安婦問題が私たちの民族の話であり歴史認識をよく伝える内容なので必ずすべきだと思いました」。
慰安所のセット現場で行われる撮影は未成年者であるハナさんには荷が重いことだ。チョ監督が俳優に配慮してシナリオを修正したが、生き地獄を演じるのは難しい。ハナさんもやはりシナリオを読むだけで衝撃を受けたと言った。