北朝鮮軍がカニ漁の季節を迎え、西海（ソヘ、黄海）北方境界線（ＮＬＬ）付近で操業する韓国の漁船を拿捕しろと指示したという情報が入手されたと、政府当局者は２６日明らかにした。

この当局者は「北朝鮮は韓国の住民を人質に取った後、２月にＮＬＬを越えて漂流し、救助された３１人の北朝鮮住民のうち亡命した４人との対等交換を進めると理解している」と述べた。また「先週、情報当局と軍がこうした情報を共有した」とし「北朝鮮軍指導部が拿捕の指示を与えただけに緊張を緩めずにいる」と説明した。政府はＮＬＬ付近で操業する漁民に漁労限界線を越えないよう漁業指導活動を強化した。

北朝鮮がこのように亡命者４人の送還に執着するのは体制内部に及ぼす影響のためとみられる。中東で民主化革命の起きている状況で、北朝鮮の住民が韓国の体制の優越性を知って自ら韓国残留を希望したのは、体制の負担として作用するという話が出ている。

北朝鮮は先月初めに続いて２２日にも亡命者４人の送還を協議するための赤十字接触を提案したが、韓国政府は拒否した。また会談提案前日の２１日には送還された住民２７人を集め、平壌（ピョンヤン）人民文化宮殿で記者会見を行い、韓国政府が亡命工作をしたと主張したりもした。

政府当局者は「北朝鮮は開城（ケソン）工業団地にいる南側関係者の行動を問題視して拘束する可能性もある」と述べた。０９年３月に開城の職員ユ・ソンジンさんが北朝鮮当局に拘束され、１３６日後に解放されたのと同じ事件が発生するかもしれないということだ。北朝鮮は当時、「共和国の政治体制を非難し、われわれ（北側）の女性従業員を変質・堕落させた」という理由でユさんを拘束した。

対北朝鮮消息筋は、先月から北朝鮮が開城工業団地に対する監視を強化していると伝えた。


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