韓国・北朝鮮(南北)次官級会談に臨む政府の交渉態度を見ると、その目標は何か混乱してしまう。北核危機の深刻性を勘案すると、今回の会談で北核と南北問題を分離することはできない。しかし政府は会談の本質に沿わない提議をし、北核問題を焦点から外す愚を犯している。 平壌(ピョンヤン)で開かれる6・15統一大祝典に参加する政府代表団を閣僚級としようという提議がそれだ。この祝典は南北と海外の民間団体が参加する例年の行事である。なら民間レベルの行事で進行すればよい。 なぜこの時期に閣僚級が平壌を行かなければならないのか。
今回の会談で韓国側は、北朝鮮核問題については会議の冒頭に2、3の言葉を述べただけで、閣僚級の平壌チケットを何とか手にしようとする姿に映っている。この政府は自尊心もないのか。政府は、閣僚級が平壌へ行けば、北核問題を含む南北関係全般を改善できるきっかけになるという名分を強調している。その可能性もあるだろう。しかし政府は南北閣僚級会談をソウルで6月に再開しようと提議した。それなら平壌行きは何であり、ソウル会談は何であるのか。このため、今回の会談は鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官の平壌行きを実現させる会談だという声が出てきている。それほど哀願して平壌に行って、何の利益があるのだろうか。南北問題は個人の名前、面目のための道具ではない。
世界は今、この会談で南北が核問題についてどんな結果を出すのか鋭意注視している。こうした中、肥料20万トンを与えながら、核問題については何の成果もなく帰ってくれば、国際社会が韓国政府をどのように見るか、もう一度考える必要がある。