【コラム】チプラス首相の危険な賭けが投げかけるメッセージ=韓国(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.07.01 09:32
結局トロイカに手を差し出した。タダのお金はないのだ。骨身を削るような緊縮要求がついてきた。SYRIZAの反対スローガンは強烈だった。腰のベルトはきつくしめないと言った。借金を削ってほしいと声を高めた。誘惑に負けない有権者はいなかった。このようにして執権したチプラス首相が公約を取り下げるのは自殺行為だ。債権団の緊縮案を受け入れる瞬間、彼は退陣しなければならない。それでも交渉を破ってデフォルト(債務不履行)とグレッグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)に進むのは手に負えない。
ユーロ圏から出てドラクマを再び導入する瞬間、ギリシャ経済は台無しになる可能性が大きい。物価が急騰し、資本が手のほどこしようもないほどに抜け出る恐れがある。景気低迷は深刻化し、国家の信頼度は地に落ちる。チプラス首相はこうした危険性をよく分かっている。ギリシャと自身の運命を国民投票という必死の一手にかけるほかはない理由だ。緊縮反対というポピュリズムが票を集めるには、効果があっても国を運営して守るためには毒になるということを彼は見通していた。