【コラム】チプラス首相の危険な賭けが投げかけるメッセージ=韓国(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.07.01 09:32
6月27日土曜日午前1時(現地時間)は歴史に残る瞬間だった。アレクシス・チプラス(41)、彼はギリシャ史上最年少の首相だ。勝負師の気質で武装した。深夜にテレビカメラの前に立った。世界を相手に反転カードを取り出した。債権団の救済金融案に対する国民投票の実施発表は劇的だった。債権団との交渉は政府がすることだ。彼は戦線を巧妙に変えた。国民を担保に前面に出した。「国民投票」は掛け金をほとんど消耗した時に取り出したオールイン(全てかけること)カードだった。
チプラス首相は交渉の生理をよく分かっている人物だ。彼が最初から今回の交渉で使えるカードは、ちょうど1枚だった。「瀬戸際戦術」。彼は急進左派連合(SYRIZA)を率いて今年1月の総選挙で勝利し執権した。ギリシャ人は2010年トロイカ(国際通貨基金・欧州中央銀行・欧州連合)から第1次救済金融を受けた後、6年間の苛酷な緊縮政策に苦しめられたと思っている。税金は跳ね上がり、賃金と年金支給額はぐっと削られた。彼らから見ればトロイカ債権団は無慈悲なベニスの商人シャーロックだった。この隙間にチプラスが食い込んだ。緊縮反対、最低賃金の引き上げなどを叫んだ。