【コラム】残念な人文社会基礎研究への支援=韓国(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.06.27 14:59
韓国の政府研究開発費(R&D)予算は量的に見た時、国内総生産(GDP)比で世界1位水準に入った。問題はこのような予算を投じたのに基礎科学よりも実用的技術開発だけに偏って国家科学および経済体力が弱まっているという点だ。しかも、2015年政府R&D予算18兆9231億ウォン(約1兆6000億円)のほとんど(95.8%)にあたる18兆1296億ウォンが理工系に投じられたことに比べ、残りのたった7935億ウォンが人文社会界(芸術・体育)に投じられた。なかでも純人文社会分野に支援された予算はせいぜい2955億ウォン(全体R&D予算の1.6%)に過ぎない。
韓国社会が直面した複合的危機と社会科学の役割を考えてみよう。韓半島(朝鮮半島)周辺の情勢変化や北朝鮮の核開発で引き起こされた戦争と平和および統一の問題、高齢化と少子化でもたらされる人口絶壁、世界的に高い自殺率、自然資源の不足、動力が弱まった持続的低成長経済、ますます進む社会の両極化、福祉需要の漸増、政治的な対立と代議制民主政治の欠陥、社会葛藤と不信の深化など難題が山積している。このような重大問題は科学技術で解決できない。社会科学基礎研究はこのような問題に対する解決法を模索する投資と言えよう。