自然に富裕層は金を使わず、自分を表わさないよう努める。５万ウォン札の回収率が２８％にとどまったのもこれと無関係ではないだろう。周囲を気にしなくてもよい海外にも出て行く。昨年韓国人が海外で使ったお金は２１７億ドルに達した。富裕層だけが海外で使ったわけではないが、どうしても富裕層が多く使っただろう。同じ期間に外国人が韓国で使ったお金は５０億ドルだ。

社会認識を変えるのが急務だ。富裕層が韓国内で金を使ってこそだれかの働き口ができ、所得が増える。お金が回って経済に活気が回る。現代経済研究院は所得上位２０％の世帯が月２６万ウォンずつ支出を増やせば年間１６万件の働き口が増えＧＤＰが７兆ウォン以上増加すると試算した。富裕層のお金を最大限引き出す工夫をするのが現実的だ。空腹には耐えられてもうらやましさに耐えられないというなら方法はないが。

富裕層が金を使えるよう準備しなければならない。サービス業規制を緩和するのがそのひとつだ。医療・教育・観光・法律・金融分野でより多くの金を払い、より良いサービスを受けられるよう道を開こうという話だ。サービスが良いといううわさが立てば中国など海外の富裕層も韓国にやってきて金を使うだろう。国会を経ずにすぐに消費を増やせるものもある。公務員のゴルフ禁止が代表的だ。この措置だけ解除してもキャディとゴルフ場周辺の飲食店など多くの関連従事者の暮らし向きは良くならないだろうか。

韓国社会は何回も経済危機と保守・進歩間の激烈な選挙が重なり、市場経済とポピュリズム、社会主義発想がごちゃまぜになっている。崔ギョン煥経済チームが順次整備することを望む。この際、低所得層・中産層の所得を増やすのとともに高所得層の消費を促進することをひとつの物差しとすれば良い。

高鉉坤（コ・ヒョンゴン）編集局長代理




【コラム】富裕層の支出拡大を誘導しよう＝韓国（１）