【社説】リッパート効果と「公職者意識」に注目する=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.03.09 17:02
全国民が心配した「駐韓米国大使襲撃事件」が素早い収拾で安定を取り戻しつつある状況の殊勲甲は、断然被害者のマーク・リッパート大使だ。頚動脈1センチ手前まで刃先が食い込む致命的な攻撃を受けたにもかかわらず、逆に韓国民を慰めて毅然した態度を見せた大使の姿に韓米同盟はむしろ強化される雰囲気だ。国民は自発的に「愛してます、リッパート」というプラカードを持ち、政派を越えて彼の快癒を祈っている。日本の肩を持つようなウェンディ・シャーマン米国務部次官の発言に激昂していた対米世論も引っ込んだ。このような姿がリアルタイムで米国に伝えられながら、米国人もリッパート大使を攻撃したキム・ギジョンが決して韓国を代弁する人物ではないことを知るに至った。
リッパート大使も自身の首から噴水のようにほとばしる血を見た瞬間、途方もない恐怖を感じたのは明らかだ。だが、彼はすぐそのような恐怖を克服して毅然とした姿を見せたのは、彼の脳裏に刻印された「米国の公職者」という意識のためだっただろう。リッパート大使は病院に移送される途中にも「私は大丈夫だ」と周辺を安心させ、生死を行き来する手術が終わると韓国民に「一緒に進みましょう」というメッセージを送った。襲撃半日ぶりに再開したリッパート大使の公共外交に韓国は不安感を払拭することができ、米国は計り知れない外交的実益を取った。公職者ひとりがどのような意識を持ってどのように対応するかによって国家的な危機を克服できる可能性があることをリッパート大使は体で示した。