インタビュー中、洪監督に「世界サッカーのベストイレブン」選定を頼んだ。時代と年齢に関係なく選んでほしいと要求したが、洪監督は「自分と一緒にプレーした選手であってこそ正確な評価が可能」とし「洪明甫のサッカー人生ベストイレブン」を構成した。４－４－２フォーメーションで描いた洪監督の選手地図には、朴智星が右ウイングで名を連ねた。「運動量とチーム寄与度でこれほどの選手を他に探すのは難しい」というのが洪監督の説明だ。

◆デール・カーネギーの『人を動かす』を精読中

－－スポーツ界の代表的なポーカーフェースだが。

「わざと笑いをこらえたりはしない。幼い頃から責任感が強い性格で、意味もなく真剣なところがあった。仕事をする時はやはり集中するので、そうなるようだ。決して感情が渇いてしまったわけではない。私も笑う時ははっきりと笑っているでしょう」

－－一日中サッカーの考えに追われそうだ。

「うーん、それは違う。必要な時だけ、集中して短く悩む方だ。映画には関心がなく、新聞と本は熱心に読む。最近はデール・カーネギーの『人を動かす』を精読している」

◆選手をどういう形で尊重するのかが悩み

洪監督は毎日新聞を読みながら世の中の動きをチェックする。スポーツをはじめ、政治・社会・文化などは細かく読むが、経済面はそのまま通過することが多いという。「幼いころからお金や数字の話はあまり関心が向かなかった」というのが洪監督の説明だ。

－－Ｕ－２０（２０歳以下）韓国代表を率いた当時、若い選手の考えを理解しようと、ガールズグループの曲を意図的に聴いていたという話がある。Ａ代表は幅広い年齢の選手がいるが、どのように努力するのか。

「選手をどんな形で尊重するかが最も大きな悩みだ。Ｕ－２０代表にいた選手も、今は堂々と成人の国家代表になっている。競技場と練習場では選手のすべてを統制するが、それ以外は自律的な意思を認めなければいけないと思っている」

－－Ｗ杯まで残り９カ月だが、避けたいチームは。

「（しばらくためらった後）ブラジルとドイツは対戦しないのがよいと思う。ブラジルは競技力も世界的なレベルであるうえ、開催国のアドバンテージまである。ドイツは最近、チームが恐ろしいほど勢いづいている」


＜サッカー＞洪明甫監督、今負けるのは構わない…来年のＷ杯で笑う（１）