【時視各角】サムスン電子と現代史の教科書(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.01.13 13:17
結局最後の判断は朴正熙(パク・チョンヒ)大統領が下した。翌年8月24日の第8次輸出振興拡大会議。朴大統領は「電子製品の輸出がなぜこれほど振るわないのか」と李洛善(イ・ナクソン)商工部長官を問い詰めた。70年9月1日付毎日経済新聞の記事はこうだ。「政府が政策旋回を敢行した。合弁投資に一定量の国内販売を許容したのだ…今年の電子製品輸出目標は8000万ドルだったが上半期現在で2272万ドルと振るわない…これは韓国企業が国際相場に比べおよそ3倍に達する製品価格から来る利益に欲を出し輸出に力を入れないのが主要因だ…」。朴大統領の決断で5年後に電子製品輸出は7倍以上に急増し5億4400万ドルを記録した。
果たして韓国社会はどれほど変わっただろうか。むしろ「財閥」「外国資本」「競争」に対する拒否感はさらに色濃くなる感じだ。果たしていまサムスン電子を設立しようとしたなら可能だっただろうか。国会聴聞会に呼ばれ非難を浴びたかもしれない。企業のひ孫会社の持ち株比率規制を少し緩和しようという外国人投資促進法にまで「特定財閥のロビーに大統領と国会が屈した」と責め立てる社会だ。
サムスン電子は昨年生産品の85%を輸出した。最初の約束を44年ぶりに守ったのだ。ここまで来るのには李秉チョル(イ・ビョンチョル)会長の執念と朴正熙大統領の果敢な規制緩和が基盤となった。競争と開放をずっと避けていたとすればどうなっただろうか。既得権集団は依然として国際相場の3倍にもなる寡占利潤を得ていたかもしれない。消費者は犠牲になり経済は停滞しただろうことは明らかだ。まさにこうしたことが子どもたちに教える生き生きとした近現代史ではないかと考える。