村上春樹の新作に「先印税」16億ウォン?…スターにかける韓国出版市場(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.06.07 17:14
出版社の立場で巨額の先印税は冒険だ。先印税ほど本が売れなければ、そのまま出版社の負担となる。村上春樹の新作の先印税が16億ウォン台なら、100万部を販売してこそ先印税をカバーできる。10億ウォン以上の先印税を支払ったダン・ブラウンの『ロスト・シンボル』とJ・K・ローリングの『カジュアル・ベイカンシ』を出版した文学手帳社は大きな損失を出したと推定される。
出版社が高額の先印税を負担するのは、こうして利益を得た事例が少なくないからだ。先印税10億ウォンの『1Q84』は200万部近く売れ、利益が生じた。
外国も同じだ。サイモン・アンド・シュスターは03年にヒラリー・クリントンの自叙伝を出し、800万ドル(約89億ウォン)の先印税を支払ったが、出版1週間で初版の60%が売れ、先印税をすべて回収した。結局、話題作の版権競争は“銭の戦争”だ。中堅出版社の編集長は「ビッグタイトルを取りたくても先印税を現金で支払える出版社は限られている。ゲームにならない」と語った。