【時論】平和の見返りに韓米同盟と安保で譲ることはできない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.01.24 10:22
近く北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を中心にした一連の首脳会談が展開される見通しだ。昨年も似たことがあったが、北朝鮮の核は増え続け、国際制裁網は弱まった。同盟は揺れ、安保戦線には穴が生じた。戦争の危機感が解消されたのはよいが、平和の新しい時代が訪れたのではなかった。
2018年のハイライトは6・12シンガポール米朝合意文だ。内容の構成や言葉の選択を見ると、北朝鮮側が作成した草案を米国がいかなる修正もなく受け入れたような錯覚を起こす。国力が数百倍も優位の米国を相手にした北朝鮮の必死な核外交がどれほど大変なものかを見せた。トップダウン方式の首脳外交が展開されるからといって非核化の奇跡が起こるわけではない。米大統領までが交渉に出ることになったのは、30年間にわたる北朝鮮の執拗な核開発が成功し、北朝鮮の核の脅威が実際の状況になったためであり、平昌(ピョンチャン)オリンピックのためでもなく、金正恩委員長の非核化ビジョンが祖父や父と異なるからでもない。金正恩委員長も70年間にわたり構築された体制の産物であり自身の7年間の恐怖統治の結果を踏んで過去の延長線にいる。
金正恩委員長は1日の「新年の辞」で核兵器の追加生産と試験をしないと述べた。核に関しては言動が比較的一致してきた点を考慮すると、核兵器は現在の推定値の40個ほどで当分は維持し、核兵器の材料となる高濃縮ウランとプルトニウム、その中でも簡単に隠すことができる高濃縮ウランの生産は続けるという意味と聞こえる。核兵器10個ほどを作ることができる高濃縮ウラン約200キロを毎年生産していると推定される。このまま進めば、誰も正確には分からないが、文在寅(ムン・ジェイン)政権が終わる2022年ごろには約80個の核兵器または核兵器直前状態の高濃縮ウランを北朝鮮が保有すると考えられる。