アジア太平洋スマートフォン市場で中国産ＯＰＰＯが躍進し、サムスン電子が劣勢になっているという報道は多くのことを考えさせる。昨年１－３月期はサムスン、アップル、華為、ＯＰＰＯ、ＶＩＶＯの順だったが、１０－１２月期にはＯＰＰＯ、アップル、華為、ＶＩＶＯ、サムスンの順になった。「ギャラクシーノート７生産中断」の余波でサムスンが５位（シェア１３．１％→９．４％）に落ちた半面、ＯＰＰＯのシェアは７．９％から１２．３％に増えた。

中国製品の躍進は昨日今日のことではない。韓国市場での成長速度も非常に速い。品目も低価格玩具類や農水産物からすでに抜け出した。今年に入って乗用車も進出した。中型ＳＵＶのあるモデルは１９９９万ウォン（約２００万円）という価格で韓国で今年３０００台を販売するという。中国産５５インチテレビは８０万ウォン台と、２３０万ウォン台の韓国産と大きな差があり、中低価格市場を掌握しつつある。価格を前に出した市場の開拓に驚かされる。

韓国であれ世界市場であれ中国産が氾濫するほど韓国企業はさらに緊張し、懸念も強まる。消費者には良いが当事者には競争という苦痛と変わらないという事実はどこでも同じだ。

中国産が韓国市場のあちこちを占めていくのは自然な現象と見なければいけない。開放化、グローバル化、自由化で、生活のより多くの部分を「メードインチャイナ」が占めるだろう。我々もそのように成長してきた。国際バチューチェーン体系で恒久の安全装置はない。結局、サムスンはさらに高級市場に向かうしかなく、現代・起亜自動車はトヨタ・ベンツの市場を狙って進むのが生きる道だ。無数の中小・中堅企業も技術力と生産性にまい進して高級市場を開拓する道しかない。もちろん遅れをとる企業も出てくるだろう。中国の追撃を見ながらも事業構造改編を徹底しなかった造船産業を反面教師としなければいけない。押し寄せる中国産に「歓迎する」とは言いにくいが、漠然とした拒否感や恐れは必要ない。我々は一段階さらに高級・高価市場を開拓していくのが根本的な対応策だ。