超高層ビル時代、消防対策は追いつかず…

超高層ビル時代、消防対策は追いつかず…

2010年10月02日09時38分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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1日午前11時33分ごろ火事が発生した釜山海雲台の住商複合高層ビル=(写真:釜山日報提供)
  



  建築法によると、50階以上または高さ200メートル以上の建築物が超高層ビルに分類される。昨年9月に新設されたもので、それ以前までは30階以上を超高層ビルに分類してきた。住宅業界はまだマンションのような住居施設の場合、30階以上を超高層ビルと考えるケースが多い。

  ◇急増する高層マンション=05年に約6万所帯だった30階以上のマンションは07年には約12万所帯に、今年は26万世帯に増えた。マンション全体の3.6%だ。

  国内に超高層マンションブームを呼んだのは99年から分譲されたソウル江南区道谷洞(カンナムグ・トゴクトン)タワーパレス1・2・3次(54-69階)住商複合マンション。タワーパレスが国内最高人気団地に浮上し、高層マンションが次々と登場した。国内で公示価格が最も高いソウル三成洞(サムソンドン)アイパークも46階建て。漢陽(ハニャン)大建築学部の申成雨(シン・ソンウ)教授は「狭い土地を効率的に利用するには超高層ビルをたくさん建てざるをえない」と説明した。

  眺望権や日照権も超高層マンションが増える理由だ。住居施設と商業施設がともに入るビルを建設することで、都心空洞化を防ぐというのも超高層ビルの純粋機能だ。実際ソウル中区(チュング)などの都心には07年以降、超高層住商複合ビルの分譲が相次いでいる。今後、超高層建築物はさらに増える見込みだ。

  ソウル市は狎鴎亭(アプクジョン)地区など漢江(ハンガン)沿いの5カ所の再建築事業地を50階以上の超高層ビルで造成する計画であり、ソウル竜山(ヨンサン)国際業務地区など100階以上の超高層ビル建設計画も全国で10件にのぼる。今回火事が発生した釜山海雲台(プサン・ヘウンデ)でも最高80階の住宅商店複合ビルが並んでいる。

  ◇火災防備がずさん=超高層建築物が増えているが、火災安全対策はずさんだ。政府は昨年1月、消防法と建築法を改正し、超高層ビルは「性能中心の消防設計」をするよう定めたが、有名無実となっている。消防設計とは、火災など実際に発生しうることをコンピューターシミュレーションで具現し、これに合わせて安全設備を整えようというものだ。欧米などではすでに厳格な消防設計で火災などに備えている。

  しかし韓国ではまだ細部規定が用意できていない。匿名を求めた消防業界の関係者は「消防設計をすれば工事費が大きく増えるという理由で、建築主や建設会社が激しく反対する」とし「このため政府は細部規定に関する研究を終わらせても施行できずにいる」と語った。

  「消防施設設置維持および安全管理に関する法律施行令」によると、11階以上の高層ビルには地下を含むすべての階にスプリンクラーを設置しなければならない。

  消火器・消火栓など救助用品も義務事項だ。消火器は各階に置き、廊下がある場合は20メートル間隔で1台ずつ設置することになっている。屋内の消火栓も各階に設置しなければならず、廊下では25メートル間隔で1つずつ設置しなければならない。

  また避難中に窒息しないよう各階には除煙設備施設を設置することになっている。煙を抜いて新鮮な空気を取り込む施設で、消防署員の現場活動を助ける役割もする。

  建築法の「建築物内部仕上げ材料基準」によると、共同住宅の場合、階数に関係なく壁面を不燃材料、準不燃材料を使用するよう規定している。今回火事が発生したビルも共同住宅に該当するため、階段などの壁面は不燃材料を使用しなければならなかった。しかし高層ビル建築で必須要素と知られてきた避難階に関する規定はまだない。消防防災庁消防制度課の担当者は「50階以上、高さ200メートル以上の超高層ビルの場合、30階ごとに避難階を設置するという法改正案が国会で審議中」と説明した。

  超高層住居施設に関する火災安全対策が逆行しているという指摘もある。05年に認可された、バルコニーをなくした部屋の拡張が代表例だ。キョンミン大学消防行政科のイ・ヨンジェ教授は「バルコニーは火の遮断膜の役割をし、居住者に避難空間を提供する。このため日本などの先進国ではバルコニー拡張を厳格に禁止している」と伝えた。

  超高層住居施設は特にバルコニーがないうえ、外観デザインのためカーテンウォール(Curtain wall:建物外壁をガラスで仕上げる)方式で建築し、火災に脆弱だ。ソウル市政開発研究院のクォン・ヨンドク研究委員は「カーテンウォールは火を上の階に広める機能をするうえ、密閉構造なので住民が窒息するおそれもある。カーテンウォールにした場合、一般建築物よりさらに厳格な防災基準が適用されなければならない」と述べた。専門家らは超高層建築物の場合、特殊防火管理者を置いたり建物規模に比例した独自の消防組織を設置するなどの制度的補完が必要だと指摘している。
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