【時視各角】「被害者X」を量産する韓国社会(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.12.03 13:49
現場記者だった時期、非常に長い間、部署で「私1人が女性」だった。あるとき部署会食で1人の先輩が私に部長の隣の席を示して「今日は部長のお相手をしろ」といった。会食で部長のそばは誰もが敬遠するが、必ず埋めなければならない「デリケート」な場所だ。だから、その先輩としては女性である私を指定するのが最も無難な選択だったのだ。ところがその「お相手をしろ」という言葉のニュアンスが不快だった。それで「お相手ですって?」と鋭く言い放った。先輩は多少動揺し、雰囲気も少し悪くなった。「お相手をする」という言葉は、実は中立的だ。直属上司に「お相手をする人」というのは、会社員にはありふれた表現だ。それでも言葉は時と場所によって時には暴力的になる。会食の場で男性が女性の同僚に向かって「お相手しろ」というのは一種のセクハラと認識される無知な行動だ。
この頃、世界数学者大会インターンセクハラで告訴されたソウル大学数学科のK教授事件が佳境を迎えている。検察は拘束令状を請求し、弟子たちは「被害者X」非常対策委員会を作った。教授が学生たちを関数y=f(x)の未知数xのように置き入れてセクハラをしたというのだ。元国会議長のゴルフ場キャディーセクハラ、元国立医療院長の職員セクハラなどが相次ぎ、「権力型セクハラ」「セクハラ“甲”行為」という言葉が一般名詞化された。これは、性的魅力はなく社会的地位ばかり高い男たちが、自身の地位を利用して若い女性をもてあそびながら罪悪感を持てない一種の「サイコパス」的行為と定義されたりもする。それではサイコパスだけがセクハラ“甲”行為をするのだろうか。