【コラム】大統領の英語演説(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2013.05.12 13:05
フランスほど激しくはないが、ドイツもやはり強固な自尊心を誇る。メルケル首相は2008年にイスラエル議会で演説をした。第2次世界大戦中にナチスが行ったホロコーストに対して許しを乞うた。ドイツ首相がイスラエル議会で謝ったのは初めてだった。それでも一部議員は出席を拒否した。メルケル首相がドイツ語で演説した理由だ。議員は「イスラエル議会でドイツ語が響くのはホロコースト被害者に対する恥辱」と声を高めた。彼らはメルケルに英語での演説を求めたがメルケルは自国語に固執した。最初と最後のあいさつの言葉をヘブライ語でしただけだ。メルケルが英語ができないからではなかった。母親が英語教師だったメルケルは流ちょうに英語を駆使する。英語で演説したとすればはるかに効果が大きかったが、国のプライドが母国語まで放棄して謝らなければならないという点を容認できなかったのだ。メルケルは2009年の米上下院合同演説もドイツ語でした。
サルコジの場合も変わらない。英国メディアは歌手出身のファーストレディであるカーラ・ブルーニ夫人にばかり関心を持ち意図的にサルコジを無視した。「ブルーニさえ一緒ならサルコジもいつでも歓迎する」「サルコジは英国人の関心を引こうとしたが英国人はブルーニを愛した」という新聞の見出しが走った。英語で演説をしたならこれよりも待遇は良くなったかも知れないが、それが自国語をあきらめる理由になってはいない。