ＭＦ韓国栄（ハン・グギョン、２４、柏）はサッカー韓国代表チームで最も優れた「タックラー（Ｔａｃｋｌｅｒ）」だ。果敢で正確なタックルで相手の攻撃の流れを遮断する。しかし時には意欲があふれ、危険な状況になることもある。

タックルに対する判定はさまざまだ。正当なタックルと反則の基準は何か。警告と退場を分ける境界線は何か。

国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）審判委員会は昨年末から今年４月まで３回のセミナーを開いた後、ブラジルワールドカップ（Ｗ杯）判定ガイドラインを確定した。

２０１０南アフリカＷ杯で副審を務めた中央日報解説委員チョン・ヘサン国際審判（４３）は「ＦＩＦＡはタックル・ハンド・シミュレーションの反則に対し、特に正確な判定を強調した」と伝えた。

ＦＩＦＡは警告に該当する無謀な（Ｒｅｃｋｌｅｓｓ）タックルと、退場となる危険な（Ｓｅｒｉｏｕｓ）タックルを、細かい説明を添えて区別した。

イエローカードを受ける無謀なタックルのキーワードは「側面からのタックル」 「スピードが伴った場合」「強い接触」だ。「足を開く」「両足で同時に入る」「ジャンプをする」「サッカーシューズのスタッド（底）が見える」「速いスピードまたは意図が伴ったタックル」の５つの行為のうち１、２個が追加されれば、危険なタックルと判断し、退場させることにした。

チョン審判は「同じタックルをめぐり審判によって警告と退場の判定が分かれるのを防ぎ、選手生命に支障を与えるタックルは厳重に懲戒しようというのがＦＩＦＡの意図」と話した。

奇誠庸（キ・ソンヨン、２５、サンダーランド）は１０日、Ｗ杯前の最後の親善試合だったガーナ戦で、前半３分、激しいタックルで警告を受けた。チョン審判は「奇誠庸のタックルはスタッドは見えたが、スピードはなかったし、意図性が弱かったため、退場ではなく警告が正しい」と説明した。

ハンドの明確な基準も熟知しなければならない。ハンドかどうかは意図性があるかないかによって決定される。意図がなくボールが手の方に飛んできて当たればハンドではない。しかし意図を持って手でボールに触れればハンドだ。

実際の試合では、あまりにも瞬間的に発生するため、意図性があるかどうかを正確に把握するのが難しい場合が多い。このため「距離」を基準とすることが多かった。ボールが遠くから飛んできて、避ける時間があるにもかかわらず手に当たれば意図があると見なし、ハンドの判定を出したりした。

しかしＦＩＦＡは今回、「距離」ではなく「手の位置」を見るよう強調した。ボールが飛んできた距離が近くても、手の位置が自然でなかったり、動作が大きければハンドに該当するということだ。

ペナルティエリア内でハンドの反則が認められればＰＫを与えることになるため、守備の選手は特に注意する必要がある。