１６日、原子力安全委員会、韓国水力原子力など５つの機関を対象にした国会科学技術情報通信放送委員会の国政監査で、与野党は「原発は安全か」をめぐり攻防を繰り広げた。まず朴大出（パク・デチュル）自由韓国党議員は金溶煥（キム・ヨンファン）原子力安全委員会委員長に「我々の原発は安全か、安全でないのか」と尋ねた。金委員長は「安全性が確保されている」と答え、朴議員が「安全性が確保されたという判断に変わりはないのか」と再度確認すると、金委員長は「そうだ」と語った。これに対し朴議員は「安全上の問題を理由に脱原発をするのは妥当でない」と強調した。

すると与党議員が声を高めた。兪承希（ユ・スンヒ）民主党議員は「文在寅（ムン・ジェイン）政権が脱原発政策へ進むのは原子力が非常に危険であるため」とし「どうすれば原子力は安全だと公式的な席上でむやみに言うことができるのか」と語調を強めた。兪議員は「チェルノブイリ、福島原発事故があり、原子力が安全でないというのは世界的な認識」とし「保守党の独メルケル政権も原発ゼロ政策に進んでいる」と主張した。

また「金委員長が朴槿恵（パク・クネ）政権当時に原子力安全委員長に任命され、新古里５、６号機建設許可を出した張本人なのでそうなのか」と述べた。これに対し金委員長は「（新古里５、６号機は）昨年６月に建設許可が出た。一日で決まったことではなく、４年間にわたり審議が行われた」と答えた。

与野党は公論化委員会の適法性をめぐっても論争を続けた。公論化委は２０日、新古里原発５、６号機の工事中断に対する最終立場を発表する予定だ。

自由韓国党は公論化委が事実上の原発工事中断を決める方式をめぐり「法治破壊」と主張した。姜孝祥（カン・ヒョサン）議員は「なぜ法律があるのか。エネルギー百年大計を非専門家で構成された陪審員団が３カ月の公論化過程で決めるというのは拙速行政の極限状態であり、大統領の職務放棄だ」と主張した。

朴大出議員は「今の公論化委員会は法的根拠もあいまいな状態で設置した『超法的委員会』であり、賛否二分法論理に基づいて国を半分に分ける『半々委員会』」と批判し、李殷権（イ・ウングォン）議員は「公論化委を前に出して国民の目を覆うのは国政壟断より深刻な『国政破壊』だ」と述べた。

国民の党も加勢した。金京鎮（キム・ギョンジン）議員は「大統領が公約として話したという理由だけで（原子力安全法の）法的改正手続きが一つも入らず、電力需給計画も検討されない状況で（政府が）むやみに強行している」とし「これこそアマチュア政権がすること」と指摘した。

一方、共に民主党の朴洪根（パク・ホングン）議員は「文在寅政権が推進している脱原発政策は任期内にすべてのものを完了しようというものではない」とし「段階的に代替エネルギーを含めていくということだが、一方的に政治攻勢に向かわせている」と反論した。

国政監査中の激しい駆け引きも相変わらずだった。韓国党はこの日も議員質疑席のノートブックの裏に「拙速脱原発を中断しろ」と表示していた。朴洪根民主党議員は「公論化委の決定を控えて影響を及ぼそうという意図とみられる」として除去するよう要請し、朴大出韓国党議員は「一方の要求によって除去を受け入れたことはない」と拒否した。