躁うつ病起こす遺伝子を初めて究明…韓国人含む米研究チームが論文

躁うつ病起こす遺伝子を初めて究明…韓国人含む米研究チームが論文

2013年10月24日14時34分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  躁うつ病は気分の調節ができない病気だ。気分が非正常的に快活となる躁状態と、逆に沈み込む憂鬱な状態が繰り返されるため「双極性障害」ともいう。ひどくなれば、些細なことでも暴力を振るったり、逆に自殺衝動、被害妄想に苦しんだりもする。しかし躁うつ病であることに気づかず暮らす人も多い。保健福祉部は人口の0.2%、精神科専門医は2-3%が躁うつ病と推定している。

  韓国人学者が含まれた米国研究チームが、特定の遺伝子がこうした躁うつ病を起こすことを初めて明らかにした。24日、世界的な科学ジャーナル「ネイチャー」でだ。KAIST(韓国科学技術院)生命科学科を卒業し、米テキサス州ベイラー医科大学で研究員として働くハン・ギフン博士(32)が第1著者として論文に名を連ねている。

  研究陣が注目したのはSHANK3という遺伝子。この遺伝子は神経細胞をつなぐシナプスの機能を調節する。SHANK3が損傷すれば、自閉症・精神分裂症となることが複数の研究で確認されている。

  問題は逆にSHANK3が過剰発現(機能が強化)した場合だった。数人の患者からこうしたケースが確認されたが、いくつかの遺伝子が変移し、正確な相関関係を確認するのが難しかった。研究陣はこの点を究明するため、遺伝子を操作してSHANK3だけを強化したマウスを作った。マウスは発作的に走るなど躁状態を見せた。

  躁病は躁うつ病の判断基準となる。躁病がひどければⅠ型、それより状態が軽く持続期間が短かければII型に分類する。研究陣はSHANK3の遺伝子の強化が躁うつ病を誘発するとみて、精神疾患者のうちマウスと同じようにSHANK3だけが発現した人がいるかどうかを調べた。その結果、注意力欠乏過剰行動障害(ADHD)判定を受けたがADHD薬が効かなかった患者と明確に躁うつ病の判定を受けた患者の2人を確認した。最後に躁うつ病のマウスにいくつかの精神疾患治療剤を投薬した結果、バルプロ酸ナトリウム(てんかん・躁うつ病治療剤)という薬物を投与した場合のみ躁状態が減った。

  ハン博士は中央日報のメールインタビューで、「研究結果を臨床治療とすぐに関連づけるのには無理があるが、長期的にSHANK3遺伝子と関連した蛋白質を探し出し、新しい躁うつ病治療剤を作るのに活用できるだろう」と述べた。

  従来の躁うつ病治療法は、いくつかの薬物を投薬した後、患者に合うものを選ぶ方式だった。これとは違い、今回の研究ではSHANK3だけを対象とする「標的治療」の道が開かれる可能性があることを示唆したのだ。

  躁うつ病の専門家ハ・ギュソプ国立ソウル病院長は「躁うつ病は遺伝病の可能性が最も大きいと知られる精神疾患」とし「その原因の遺伝子の一つを見つけだし、特定薬の治療効果を確認したということに大きな意味がある」と述べた。
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