【コラム】ウラジオストクから=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.02.10 11:49
国境を越えたロシアは閑静で寂しかった。商店の品がツヤを失っていた。毛皮をまとったスマートな女性たちやコサック騎兵のような男性たちが見えたが、彼らがどんな職業を持っているのか推測しがたかった。ちょうどオイル価格の下落でルーブル貨幣の価値が半分になったせいもあるだろう。国境都市のウスリスクからウラジオストクに向かう列車で目撃した韓国企業は、サムスンと斗山(トゥサン)重工業の2つだけだった。モスクワに進出した製造業は韓国ヤクルトのほかにほとんどない。中国がロシア生産基地で伸びている間、韓国は北方政策に手離しだったということだ。盧泰愚元大統領が磨いた道は、雑草だけが生い茂った使えない土地になった。
実用的なアプローチをしなかったせいだ。歴代政権は、北方政策を政治的な垂れ幕としてのみ使った。李明博(イ・ミョンバク)政権が推進した資源外交でさえもそうだ。不良企業ではなく米国のシェールガス田やカザフスタン鉱山をまるごと買収していたら事情は違っていただろう。朴槿恵(パク・クネ)政権が精魂を込めているユーラシア鉄道と下山(ハサン)・琿春産業地区構想案も、発想の転換をしなければいけない必要性がここにある。ユーラシア鉄道はすでにそこに「存在している」。あえて北朝鮮を経由しなくても9288キロに及ぶシベリア横断鉄道がウラジオストクに待機している。東海港(トンヘハン)から航路で千里も行けば着く。すでに架設された鉄道をどう利用するのかがカギだ。下山・琿春産業地区というが、これは夢のような話だ。実現の可能性はゼロに近い。韓中露の3カ国が狙う利益が互いにぶつかるからだ。