【コラム】KTXと空港鉄道、そのぎこちない同居=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.10.24 13:36
KTX(高速鉄道)が今年末に仁川(インチョン)空港まで直通運行することをめぐり最近議論があった。KTXの運行のために3100億ウォンを投じても既存の空港鉄道より所要時間が30秒しか早くならないという批判が提起されたためだ。ソウル駅を出発したKTXは京義(キョンウィ)線を経て水色(スセク)付近で連絡線を通じて空港鉄道に乗り入れ仁川空港まで行くことになる。KTXが空港鉄道よりはるかに重いことに加え信号システムも異なり、運行のためにはいろいろと手を加える所が多い。莫大な予算が投入された理由だ。
議論がふくらむと国土交通部は「運行時間短縮よりは乗り換えの不便を減らすことに目的がある事業」と釈明した。釜山(プサン)や光州(クァンジュ)からKTXに乗りソウル駅で乗り換える必要なく仁川空港まで直結するという趣旨の話だ。2009年末にこの事業計画を発表した時も同じ論理だったため間違った釈明ではない。旅行かばんにハンドバッグまで持ってソウル駅で空港鉄道に乗り換えるのはどうしても不便だ。こうした苦労を減らせるなら良い政策のようだ。
ところがふたを開けてみれば問題が少なくない。何より恩恵を得られる人があまりいないという点だ。細部運行計画はまだ発表されていないが、仁川空港行KTXの運行間隔は最低1時間と予想される。片道基準で1日に最大10本程度だ。それも利用客が最も多い京釜(キョンブ)線にだけ割り当てられる可能性が大きい。KTXの編成数が不足し仁川空港まで行く列車が増えるほど他の運行に支障が生じるほかないためだ。また、空港鉄道を走っていた列車の運行への支障も減らさなければならない。こうした状況から湖南(ホナム)線と全羅(チョンラ)線は1日1~2本にすぎないだろうという話も出てくる。こうなると出国スケジュールに合わせて仁川空港行KTXに乗るのは難しい。実際の効果は少ないがメンツを保つためのものという指摘が出る理由だ。